プログレというより完全にブリティッシュ・フォークだと思うんですけど、なぜかプログレファンの間で口の端にのぼることの多いバンド。
というのもこのバンドの奏でる音が、単にフォークで割り切ってしまうにはあまりに「異形」すぎるからだと私は思うんです。
アート・ロックとカテゴライズする人も中にはいるようです。
なんせ6人編成で、バイオリンやらヴィオラやらフルート、オーボエにパーカッションを担当するメンバーまで居ますから。
この大所帯は何事か、って話で。

私が聴いたのは1stアルバムであるFIRST UTTERANCE(1971)なんですが、まあ度肝をぬかれましたね。
この威圧感、圧迫感はなんなんだ、と。
音数が密集してるわけじゃないんですけどね、呪術的というか禍々しいというか。
暗鬱さが蠱惑的調べを伴って、聞くものの魂を鷲掴みにする。
はっきりいって、そんじょそこらのデスメタルごときじゃ太刀打ちできません。
一瞬で世界が変わります。
どこかプリミティブで狂気すら漂う楽曲群が、他の何者にも似ていないのは間違いない。
思いのほか音楽的アプローチの引き出しが多彩なのも魅力。
規制の枠組みを逸脱しているのがプログレだとするなら、これもまたプログレと言えるのかもしれません。
バンドは74年に2nd、to keep from flyingを発表して解散してますが、半ば伝説と化している部類でしょうね。
孤高の怪作。
要チェックの1枚だと思います。