無双の鉄拳

韓国 2018
監督、脚本 キム・ミンホ

無双の鉄拳

96時間(2008)の「もし誘拐されたのが美人妻だったら・・」ヴァージョン。

主人公はマ・ドンソク演じるドンチョル。

この男、かつては「一度キレたら誰にも止められない」「雄牛」と恐れられた武闘派。

妻のおかげで真面目に魚市場で働くまでに更生したんですが、そんな彼の制御弁かつストッパーたる奥様を、こともあろうか犯罪者集団は拉致っちゃうんですな。

いうまでもなく完全なる人選ミス、ずさんさが招く身の破滅。

さあ、もう止まりません、ドンチョル。

吹き荒れる暴風がごとき勢いで、単身敵組織へとつっこんでいきます。

なんせマ・ドンソクだ。

178センチ100キロの肉体が持つ説得力が桁違い。

腕なんて全盛期のスタン・ハンセンか!ってな太さ。

理屈じゃないんです。

こんな棍棒みたいな手で殴られたら死ぬ、と素直に思う。

アクションシーンから、テクニックを度外視した「痛み」が伝わってくるんですね。

ぶん殴られた雑魚キャラ、マジで大丈夫か?みたいな。

監督がうまかったのは、一気に主人公を全開放するのではなく、まずは敵の正体を暴くことに時間をかけたことでしょうね。

見ててやきもきするんですよ。

ありあまるパワーを開放できず、右往左往するドンチョルに期待感は増すばかり。

これもう、居場所が判明したら大変なことになるぞ・・・みたいな。

ま、大変なことになったんですけど。

はっきりいって、わかりやすい定番のアクション映画ですし、色々ゆるい部分もあるんですけど、マ・ドンソクをどう使うかという点においては長じてるように思います。

ドンソクのファンでこの仕上がりに満足しない人はいないでしょう。

まだ当分いけますね、このパターンで。

上手にやればスティーブン・セガールの沈黙シリーズみたいに延々連作できるかも。

さて、マ・ドンソクはアジアのドウェイン・ジョンソンになれるか?

香港ともハリウッドとも違う独自路線を期待したいところですね。

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