1994年初出 望月峯太郎
講談社ヤンマガKC 全10巻
ド級のパニックSF、終末SFながら、全く何も明かされぬまま、あたかも打ち切りを宣告されてしまったかのように終わってしまった悪名高きシリーズ。
当時リアルタイムで読んでいた愛読者は「なんじゃこりゃ」と怒り心頭、ほとんどの人はあきれかえって最終巻を即座に足下へと叩きつけたことと思われます。
私の場合、何か読み落としているのでは?と浅い巻まで遡ってなんとかエンディングの意味を探ろうとしたんですが、結局意味不明でしたね。
やっぱり何が一番いけなかったか?って、日本が廃墟化してしまった理由もはっきりしなけりゃ、主人公とアコの行き着く末もまるで描いてないことに尽きると思うんです。
さんざん謎解きのヒントらしきもの、布石とおぼしきもので煽っておきながらですよ、答え合わせをする気もないって、どういうことなんだ、と。
これはこれでいいんだ、とおっしゃってる方々もおられるみたいですが、私はそんなに優しくはないんで、こういう作品を躊躇なく「尻切れトンボ以下」と弾劾する次第。
また、 オープニングから終盤まで、その設定、プロット、ぶっこわれていく人間の狂気の演出、サバイバル模様等、一切の予断を許さぬ一級品の出来であったことが、余計に腹がたつというか。
この時から望月峯太郎は要注意作家の一人になりましたね。
鮫肌男と桃尻女( 1993~)をなんとなく許しちゃったのがいけなかったのでは、と思ったり。
実はシリアスな漫画を結べないんじゃないか?望月峯太郎?という懸念が、この時から私の中ではずっとくすぶったままですね。
可愛さ余って憎さ百倍。
あの日から、一度も読み返すことのないまま記憶の奥底に封印してる一作。