百人の半蔵

2014年初出 横尾公敏
秋田書店少年チャンピオンコミックス 1巻(全4巻)

中二魂がそのまま炸裂したかのような時代劇漫画。

もープロットからして滅茶苦茶です。

百人の服部半蔵が日本を分割統治してる戦国時代に、果心居士の呪法で埒外な強さを身につけた剣士が大暴れする話ですから。

ちなみに地下幕府の将軍は柳生十兵衛だ。

北斗の拳(1983~)というか、男一匹ガキ大将(1968~)というか。

一応、復讐劇ですんで、喧嘩上等全国制覇みたいな感じにはならないんですけど、強さこそすべて、みたいな感じでの、現実味からの逸脱はオールドスクールな少年漫画の典型と言っていいかもしれませんね。

意味不明の勢いだけはあるんですけどね。

後に発表された仏像パンク(2016~)とほぼ同路線、と言っていいかと思うんですが、ハッタリに次ぐハッタリだけでストーリーを引っ張っていくのはやっぱり限界があるんじゃないか・・と思ったり。

ちょっと笑わせてやろうかな、ぐらいの余力があったほうがいいかもしれませんね。

60~70年代ならともかく、今これを楽しめる読者って、本当に少ないと思います。

野放図で型破りな作家性は嫌いじゃないんですが、荒唐無稽を支えるもっともらしさを置いてけぼりなままひたすら暴走って、読んでる側が息切れしてくるんですよね。

優秀な協力者なり助言があれば大化けしそうな気もするんですが・・・。

あと、目に釘はキャラ設定に無理がありすぎ。

そういう部分での「どこまでギミックを盛り込むのか?」も課題かも。

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