アメリカ 2018
監督 メラニー・ロラン
原作 ニック・ピゾラット

うーん、なんだろ、あまりにレオン(1994)風というか。
厳密に言うとレオンとは違うんですが、組織に追われる殺し屋と娘という構図がね、似た印象を抱かせることは避けられないと思うんですよ。
娘の不幸な境遇もレオンに登場するマチルダっぽいですしね。
ま、こっちは19歳で売春婦という設定ですんで、12歳のマチルダみたいに児童福祉法に抵触してたりはしないわけですが。
どちらにせよ「冷徹な殺し屋が唯一心を許したいたいけな娘との逃避行」とかね、まだやるのか?たいして新しい切り口もありゃしないのにどうしてもやりたいのか?って話ですよ。
またご丁寧に殺し屋が死病に侵されてたりもして。
どれだけ韻を踏めば気が済むんだ、と。
シナリオ進行が全部予測できちゃうんだよ、って。
なんで私はこの映画見たんだろうなあ。
予告編で見た海のカットが妙に美しかったんで、何かあるのかもしれない、とちょっとでも期待したのが間違いだったのは確かだ。
原作はまた違うのかもしれませんけどね、監督が既出の類似作以上のなにかを提示できてないのは事実。
終盤で予想外の展開が待ち受けてるのが意外だといえばそうなんですけど、それが結末へ強く働きかけてないのがまた致命的で。
ええっ、ここで終わっちゃうの?ってなラストシーンも意味不明。
なんのために一気に数十年を経過させたんだよ、と言われても仕方がない。
再開の場面をね、クライマックスにしたいなら、それが落とし所となる着地点を設けるべきだったと思いますし、ケリついてないんですよね、結局。
3歳の子供が登場してきたくだりで「おっ、裏切ってくれるか」と思ったんですが、なんだか盛り上がりそうで盛り上がらないまま終わっちゃいましたね。
エル・ファニングがものすごい熱演を披露してただけに残念。
タイトルのガルヴェストンが意味するものは一体何だったのか、ちょっと気にならなくもないんですが、それを掘り下げるよりも先に内容忘れてしまいそうです。