アメリカ 2019
監督 デヴィッド・F・サンドバーグ
脚本 ヘンリー・ゲイデン

DCエクステンデッド・ユニヴァース第7弾にあたるアメコミ・ヒーローもの。
なんとなくスーパーマンに似た感じというか、パロディみたいな雰囲気があるなあ、と私は思ったんですが、調べてみたら遠い昔に「似すぎてる」ってことでDCから訴えられた過去があるとか。
なぜ訴えられたキャラがいつのまにかDCの一員になっちゃってるのかよくわからんのですが、大人の事情を交えた権利関係が背後にはあるみたいですね。
要は人気があるんならなんでもいいや、ってことか。
うーむ、節操がないぞアメコミ業界。
まあ、いいんだけど。
ジャスティス・リーグのメンツに加わったりするんでしょうかね?シャザム。
ちょっと難しい気もしますね、わかんないけど。
で、肝心の内容なんですが、どこかジュブナイルというか、中高生向けっぽいな、と感じたりもするんですけど「14歳の少年が呪文を唱えただけで超人的な力を得る」というプロットは時代を経てもやはり鉄板だ、と思わせるだけのものはありまして。
いつも子供扱いされて憤慨してる少年たちにとって、これほど胸躍る設定ってないと思うんですよ。
実際、特撮実写ヒーローものが花盛りだった70年代において、日本でも子供が大人顔負けの大活躍をするテレビドラマは大量に作られましたしね。
ティーンエイジャーがこの映画を見て大興奮する気持ちはよくわかる。
主人公ビリーをグループホームに暮らす孤児、と設定したのも上手だと思いますね。
ビリー、生き別れた母を探すことにとりつかれてて、他者から差し伸べられた手を素直に握れないひねくれ者なんです。
それが偶然にも巨大な力を手にしてしまったことによって、手助けしてもらうことは決して恥ずかしいことじゃない、支え合う事が大事だと悟る。
王道といえば王道の展開なんですけどね、なんの後ろ盾もない孤児たちが知恵と勇気で奮闘する筋運びは、そりゃ大人も応援したくなってくるというもの。
若干ね、コメディとシリアスなドラマの境目で、どっちに大きく寄りかかるのか迷ってるような印象を受ける点が132分を冗長に感じさせたりもするんですが、まあ、これはこれでいいと思いますね。
魔術師のおっさんって一体何者なんだよ?とか、つっこみたいところもいくつかあったりはするんですが、この際目をつぶろう。
総じて「なんか楽しい」ことがこの作品の魅力かと。
アクアマン(2018)にたどり着くまで転びっぱなしだったDCにしちゃあ上出来な一作だと思いますね。
広い層に愛される映画じゃないでしょうか。
あ、あと終盤に軽く驚く仕込みがあったりします。
ええっ○○しちゃうの?!と、私は思わず笑った。
さすがに何も一切書けないんですけどね、うん。