中国/香港 2018
監督 イップ・ワイマン
脚本 マンフレッド・ウォン
全3部作であることがアナウンスされているアイスマンシリーズの第2弾。
興行的に激しくコケて、制作側と主演のドニー・イェンの間で訴訟合戦が繰り広げられてるらしいですが、いやいやこれ、どう考えてもドニーのせいじゃないだろう?!って。
それはもう私、断言します。
映画の出来、大変なことになってます。
しかしまあ往生際が悪いと言うか、前時代的というか。
中華圏のスターは大変だなあ。
当たらないと訴えられちゃうのか。
あちらの芸能プロダクションがどういうシステムになってるのかわからないので、割とよくあることなのかもしれないですけどね。
ともあれ、シナリオですね、最大の問題点は。
もうね、整合性とかもっともらしさとか今朝自宅に置き忘れてきたのか?ってレベルでとっちらかったまま猪突猛進です。
最初はね、アジア版バック・トゥ・ザ・フューチャーにしたいのか?と思ったりもしたんですよ。
違った。
そもそもタイムパラドックスの概念すら理解してる様子がない。
ともかく今回は過去に行きました、と。
で、悪だくみを阻止しようと思ったんだけど、なんか無理っぽい感じなんで、僕はもう傍観するよ!終わり、なんですね。
ドラえもんのほうがよっぽど時間の概念理解してるわ!って話で。
またびっくりするぐらいドニーの見せ場がない。
上手にお話作れなかったんならせめてドニーに派手なアクションさせて香港映画ファンのご機嫌伺っとけばいいじゃない、そういうの得意でしょ?と思うんだけど、それすら出来てない。
誰が今更全盛期を過ぎた倉田保昭とドニーの組み手を見たいんだよ!って。
せっかく未来から巻き添えで連れてこられたメイという美味しいキャラのヒロインが居るのに、全然使いこなせてないのも致命的。
やろうと思えば犬夜叉(高橋留美子)みたいな感じにも仕上げられたでしょうが!って。
なんのために過去に連れてきたのか、まるで必然性がないまま終幕なのに唖然ですよ。
ま、前作があんな感じでしたんで。
期待はしてなかったです。
けど、そこをさらに下回ってくるとは予想してませんでしたね。
唯一終盤でね、列車が時空間を走行するシーンがあってですね、「うおっ!SF! 銀河鉄道999 !」と一瞬色めき立ったんですが、これもねえ、そこからどこへも行ってくれなくて。
終着駅がみあたらんぞ、おーい。
80年代の香港映画がCGの技術を手に入れたらこうなりました、みたいな一作。
しかしここまで主人公を無能に描くか?って感じですね。
中華圏にSFは無理、をはからずも実証したヘンテコ武侠映画ですね。
こりゃ三作目はねえな、どう考えても。
ああ、ドニー、もういい年なのに、どこへ行く?
あなたのせいだけじゃないんだろうけど。