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アメリカ 2018
監督 アニーシュ・チャガンティ
脚本 アニーシュ・チャガンティ、セヴ・オハニアン

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物語のすべてがパソコンのモニター上で展開されるという、野心的な試みが話題になったサスペンス/ミステリー。

ある日突然姿を消した娘の行方を追う父親の話なんですが、よくまあここまで徹底してマイルールにこだわり抜いたことよな、と素直に感心しましたね。

ちょっとぐらい反則があるんじゃないか?と注視してたんですが、ほんとに最後までモニター画面しか出てこない。

そりゃね、ウェブカメラの自撮り映像とかYOUTUBEの動画とか出てくるんで、「モニター画面縛り」も、そういうのもOKなら何でもありじゃん!って言う人もいるかとは思いますが、肝心なのはそれで実際に映画を成立させてしまったことだと私は思うんですよ。

なんせカメラワークにこだわることも構図にこだわることも難しいわけですしね、結果、どうしたって単調になることは避けられないでしょうから、普通なら途中で早々と退屈してしまいそうなもの。

なのに飽きない。

むしろ少しづつ暴かれていく娘失踪の謎に、前のめりになるばかり。

ディスプレイ上のやり取りにメリハリをつける、なんて尋常の才能じゃできないですよ、マジで。

ちゃんと緩急があるんだもの、進行に。

一体何を学び、どのような研鑽をつめばこんなことができるようになるんだ?と本当に驚かされましたね。

特に終盤のどんでん返しなんて「あっ!」と声がもれる鮮やかさ。

新しいタブを開いたり、アプリケーションを起動させる見慣れた操作の最中に驚愕の真相を悟らせる絵を仕込んでくるんだからお見事という他ない。

で、この作品がすごかったのは、別段モニター縛りにこだわらず、普通に撮っててもきっと面白かっただろう、と思える点でしょうね。

つまりは、あえて難易度の高いことをやって、それでもなお成功してる、って事。

すごい監督が出てきたな、と思いますね。

絶望を匂わせておいて最後の最後で全部ひっくり返してくるシナリオも秀逸。

傑作だと思います。

ワンアイデイア一発勝負だとか、キワモノでないことは保証します。

余談ですが、なぜか主演が韓国人俳優だったんで韓国映画なのかな?と思ったらインド人監督によるアメリカ映画だった。

ハリウッドも徐々に開かれてきたなあ。

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