香港 1988
監督 レイモンド・リー
ネットをうろうろしても詳しい情報があんまりなくて、監督以外のスタッフが誰なのかさっぱりわからない状態なんですが、どうやらテレビドラマ用に撮られた作品のよう。
なんだかVTR画像みたいだなあ、と思ったんだよ。
やはりか。
ま、この時代のドニー・イェンに過剰な期待をしてはいけないのはわかりきってはいるんですが、それでもなお注目すべき点があるとするならバディ役としてチャウ・シンチーが出演してることですね。
あえて誇大な言い回しをしますよ、これってね「カンフーハッスルとイップマンの共演」と言っても過言ではないわけだ!
香港映画ファンであるなら、この事実に心躍らされぬはずもあるまいて!
そりゃ見るだろ!
そして「ぜんぜんそんなことないじゃねえかよ!」とみなさんお怒りになるわけだ。
そりゃそうだ。
いやすまん。
だって20年以上前のテレビドラマだもの。
そこは斟酌してくれないと。
でもね、ありきたりな刑事ものの割には予想外にシナリオちゃんとしてたと思うんですよね、私は。
型破りなはみ出し刑事としてのドニーと、素行不良な母親に振り回される真面目な刑事チャウのキャラクターが上っ面だけじゃなく、きちんと作り上げられてたのも良かったし、二人が協力して巨悪に立ち向かっていく展開も、セオリーどおりとはいえ、悪くはない。
ちょっとまどろっこしいな、と思う部分はあるんですけどね、80年代香港の刑事ものでこれだけやれたら上等の部類ですよ。
なにより2人が同じ画面でアクションしてる、ってのが胸踊る。
これ、この先実現可能だとは到底思えませんから。
そりゃやっぱり見とかないと!(二度目)
また、ドニーの動きが早いのなんのって。
売れてからのドニーしか知らない人は、この頃が最速だったのか!と瞠目するかもしれない、ひょっとしたら。
ただ残念なのは、カメラクルーがその動きを追いきれてないことだ。
見切れちゃってるし、ドニー。
あー今のドニーのチームがこの頃にいたらなあ、と夢想せずにはいられません。
知られざる名作とまではいいませんよ、けれど希少性と内容がそこそこ釣り合ってる、という意味では若い頃のドニーを知るのに適した一作じゃないでしょうか。
彼の出演作はDVD化されてないものがまだまだあるんで断言はできないですけどね。
ファンなら見て損した、とは思わないはず。