アメリカ 2018
監督、原案 ゲイリー・ロス
オーシャンズ11の続編として制作されたクライム・アクション。
普通に良く出来てる、と思います。
そこはビッグタイトルのシリーズ物として名を貶めぬ内容だった、と言っていい。
この手の泥棒映画で肝心な「知恵比べ」「予想外のアクシデントが招くスリル」「それぞれのキャラクターが専門性を見せつける楽しさ」はきちんと演出されてましたね。
シナリオ構成に無駄がなく、最後まで緊張感を途切れさせない仕上がりだったんじゃないでしょうか。
私ははるか昔にオーシャンズ11(2001)を見たっきりなので、前作からお話がどうつながってるのか、さっぱり思い出せないんですが、わからなくても十分楽しめました。
なぜ今回に限っては女性8人のグループなのか?は作中で曖昧なままでしたけどね。
そこはまあ、大人の態度で「そういう企画だから」でスルーしときましょう。
それをつっこみだすともう全否定するしかなくなっちゃうから、うん。
ただ、あえて女性8人のグループにしたことが、過去作と比較する上で、シリーズの正当な系譜として認められない危険性を匂わせてはいますよね。
例えばですよ、サンドラ・ブロックやケイト・ブランシェットに顎でこき使われるドMな兄ちゃんとか、老齢の引退した技術屋のじいさんとかキャスティングしておけばね、DCの大看板ワンダーウーマン(2017)みたいに「新しいオーシャンズのヒロイン」としてちゃんと成立したと思うんです。
主要キャストを全部女性にすることにこだわったがあまり、どんなに質が高くとも「企画もの」のそしりは免れないような気がしますね。
単純にもったいない、と思う。
ほんの少しの配慮でクリアできた要件ですしね。
あとはこの手の映画にまだ飽きてませんか?ってことだけでしょうね。
オーシャンズの看板があるからサクサク見れちゃいますけど、似たような作品はそれこそ現在進行系で腐るほどありますしね。
差別化は非常に難しいと思います。
いかに出来がよくとも。
だからこそ女性オーシャンズなんだ!って話なのかもしれませんが、それはそれで前述した危うさを孕みますし・・って、いかん、書いてることがループしてきた。
続編を作るアイディアがもしあるなら、今度はサンドラ・ブロックなりケイト・ブランシェットなりをメインに据えてもっと縛りのない作劇を、といったところでしょうか。
上質のエンターティメントであることは間違いないです。