アメリカ 2016
監督、脚本 ジョナサン・ストレイン

なんと言っていいのか、言葉が見つからないほどクズ映画だなあ、と。
「24の映画祭で大絶賛!」などというキャッチコピーがデカデカとジャケットには踊ってますが、多分映画祭に来てた連中は酔っぱらってたか、薬物キメてトリップしてたんでしょうな。
じゃなきゃスマホでゲームに興じてたか、隣のグラマラスなお姉ちゃんを口説くのに必死で映画見てなかったとか。
映画祭とは名ばかりで、地域の懇談会だった、もしくはアルコール依存症等の自助会だった、という可能性も考えられるな。
ただ、内容がエログロで下劣極まりない上、小学生レベルのおふざけでお茶を濁してる状態なんで、その凄まじい頭の悪さから慮るに「この映画を反面教師として上映した」もしくは「特定の教義を啓蒙するため資料として上映した」という可能性も考えられる。
前者の場合はきっとお固い団体だろうし、警察で働く人たちの集まりだったとか、青少年育成にたずさわる有識者たちの集まりだったとか。
「いいですかみなさん!こんな最低な映画がこの国では規制を受けることもなく平然と上映されてるんですよ!」とか、口角泡を飛ばしながら司会者のおばはんが壇上で怒鳴ってそう。
後者の場合はいわゆるカルト教団だろうな。
フリーセックスを標榜し、あらゆるモラルや禁忌を唾棄することが解脱につながる、と経典には説かれていて。
髭面でデブの怪しいおっさんが空中浮遊を偽装しながら、もったいぶった口調で諭すわけだ。
「我々の教義に従うのならこの映画以上の悦楽と自由が来世で待っている」みたいな。
なにかもっと他にこの映画の使いみちがあるのかどうか、とっさには思いつかないし、思案したくもないんですが、よくよく考えてみたらそんなの私がわざわざ頭を悩ませるようなことでもなかった、うむ。
非常に近い将来、マイクロプラスチックと化して地球環境を汚染するんだろうなあ、この映画のメディア。
そりゃま、どんなメディアであってすらいずれは環境汚染に貢献することになるんだろうけど、こやつの場合はそのサイクルが恐ろしく早い気がしますね。
最短で1年後ぐらいにはマリアナ海溝でマリンスノーにまざって地底に降り積もってそう。
追跡できるものなら追跡したいぐらいだな、これほんと。
どうなんだろ、amazonの仕入れ担当者はそのあたりきっちりマーケティングして、適正在庫を心がけてるんですかね?
「・・・おいこら!誰だ!モンスター・モーテル10本も仕入れやがったのは!こんなクソ映画3本もありゃ十分なんだよ馬鹿野郎!好事家でもすぐに売り飛ばすわ!こんなもん!あっという間に中古市場に溢れかえって半年後には1円で投げ売りだよ!そんなこともわからんのか!」
きっと担当者の上司はご立腹だな、うん。
そりゃ10本も仕入れちゃいけない。
誰だ、10本も仕入れたやつは。
私みたいな筋金入りのホラー好きでもDVDを骨切り包丁で千切りにしてやろうか、と思ったぐらいなのに。
ま、ひとつだけ擁護するなら、後半で登場人物の一人が彼女と死体を間違えて男と情交かわしてるシーンは大爆笑したんですけど、それがなにかを変えたのか?というとなにも変えてなかったようにも思うんで、この映画のお話はとりあえずこのあたりでおしまいでございます、どっとはらい。