アメリカ 2016
監督、脚本 ライアン・グレゴリー・フィリップス

外宇宙から発せられていると推察される短波信号を聞くことによって、何故か過去を追体験する女を描いたSF。
えー結論から書いてしまいますが、色々混沌としてます。
まず言えるのは、物語を筋道立てて起承転結と導く上で、あれこれ色々足りてないし、余計なことをしすぎ。
多分、監督の中ではすべてがきちんと形を成してまとまってるんでしょう。
けれどそれをどう人に伝えるのか、という部分で「わかりにくい」だけではすまされない稚拙さが顕著。
もうね、いちいちひとつづつ拾っていくのも面倒なんですけど、あえて書くなら、まずストーリーを立ち上げるのが遅すぎ。
1時間28分しかないのに、冒頭30分がほぼなにも起こらないまま意味なく費やされてますし。
ソフトフォーカスっぽい加工で視覚的に映像を小細工してる割には、連続する異常現象に脈絡も意味もなく、布石にも伏線にもなってないですし。
なぜこの路線で終盤の展開が、流血沙汰のスプラッターみたいになっちゃってるのかもさっぱりわからないですし。
最後に待ち受けるどんでん返しも、エピソードの積み重ねがないから、とってつけたみたいな感じになっちゃってますし。
そもそも謎の提示の仕方がヘタクソすぎて続きがまるで気にならない、ってのがあったりはするんですけどね。
なぜそれが起こったのか?なぜそのような結末に至ったのか?を理解できるロジックが不在なんです。
安いテレビ映画みたいでしたね。
Xファイルの中の不出来な一話みたいな。
シナリオを編むとはどういうことなのか、もう一度勉強し直したほうがいい、と思う次第。
更につっこむなら今どき「外宇宙からの短波信号」とかね、70年代かよ、って話で、うーん、だめだこりゃ。
監督本人が一人ご満悦な感じの一作でしたね。
うん、凡作。