ゆうやみ特攻隊

2007年初出 押切蓮介
講談社シリウスKC 1~8巻(全13巻)

学園ものホラーコメディであり、幽霊退治もの。

なんといってもこの作品が独特だったのは、霊を「物理的」に攻撃することの出来る格闘系女子のリーダーが居る、という設定でしょうね。

これって、ほんとありそうでなかった発想だと思います。

この手の作品の場合、心霊現象に対するそれらしいうんちくや宗教をたたき台とした神秘学的論理体系の構築に血迷いがちかと思うんですが、そんなもの知ったこっちゃねえとばかり肉弾相打つアクション路線に舵をきった作者の選択は大正解。

手垢を逆手に取った力技なわかりやすさがこざかしくなくて小気味いい。

幽霊はなぜ怖いのか?それを突き詰めるなら、超常現象を起こすからでも不幸を呼ぶからでもなく、やっぱり直に触れないからなんじゃね?というシンプルな回答が見事カタルシスに直結してます。

直接ぶん殴る事ができればあとは力の論理でしょうが、ってのがね、なんとも爽快。

絵が必要以上に不気味なのもオチのための前フリのようでやたら楽しい。

近刊に至っては、土着信仰の根付いた呪われた離島で悪神に挑む展開にストーリーは進んでいて、横溝か黒祠の島かってなシリアスさで期待は膨らむばかり。

いかにリーダーの物理攻撃が超常を破壊していくのか、興味は尽きないですね。

これって言うなれば「得体の知れなさに対する恐怖の総解体」なんですよね。

誰もそんなこと幽霊退治ものでやってない。

うーん、サユリもすごかったがこのシリーズも侮れんなあ。

基本少年マンガですが、大人が読んでも楽しいです。

おすすめですね。

<2018年2月追記> 途中で少年ジャンプ的バトルものになってしまいました。残念。うーん、友情と熱血を期待してたわけじゃないのだが・・・。

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