2017年初出 佐藤洋寿
徳間書店ゼノンコミックス 1巻(全5巻)

前作、スズキさんはただ静かに暮らしたいから一転してホラー。
いわゆるヴァンパイアもので、主人公である女吸血鬼に使役される少年の悪夢を物語の軸としてストーリーを進めていきたい様子ですが、これがねー、なんといえばいいのか、1巻の段階ではなんの新鮮味も感じられなくてですね。
画力はさらに上がってるし、テクニックも高いんで、それなりの臨場感で読めはするんですが、先の展開がまるで気にならない、とでもいいますか。
やっぱり吸血鬼もの、って今更やるのは本当に難しいと思うんですよ。
それこそ70年代から数多の名作が漫画界にはひしめいているわけですし。
同じ轍を踏むまいとしたところで、その作品数の多さゆえ、どこか類する表現を用いざるを得ない。
どうもありきたりな吸血鬼ものにはしたくないようなんですが、それすらも「他の誰かもそうだったよね」と言いたくなる状態でして。
2巻から化けるのかもしれません。
でも、続きを読みたい、という気持ちになれない。
才能ある漫画家だと思うので、別の題材で違う作品に着手したほうが将来的なリスクは少ないのでは、と思えてなりません。
うーん、私はちょっとダメでしたね。