鬼を飼う

2014年初出 吉川景都
少年画報社YKコミックス 1~2巻(以降続刊)

戦前の東京を舞台に、奇獣と呼ばれる「あやかし」を売る謎の商人と、帝大生である主人公の奇妙な関わりを描いた作品。

悪くはないです。

悪くはないんですが、やっぱり既視感が強い。

「奇獣」と呼称を変えちゃあいるんですが、結局のところそう呼ばれる得体のしれぬやからの殆どが、古来から妖怪と呼ばれる存在ばかりでして。

サトリとか鬼とかね。

それをなぜあえて奇獣と呼ぶのか、そこに明確な理由付けがないから、いざ一風変わった包装をといてみればいつもの見知った菓子が並んでてさして代わり映えしない、って状態なんですね。

風呂敷を広げすぎなのもあんまりよくない。

たかが妖怪もどきを売買する男に、特高の特務課とかひっぱりだしてきて国の監視下にある、って、どう考えても大層すぎる。

背後に潜むものの強大さを読者に印象づける前に勝手に作者が一人で盛り上がってる状態なんですね。

夏目友人帳とかお好きな方にはど真ん中かもしれませんが、少女漫画的であることが、男性誌連載であるがゆえに物珍しく映ってるだけのような気もしなくはありません。

うーん、私は続きを読もうという気になれず。

奇獣の種族体系を構築するとか、独自の世界観があればまた違ったかもしれませんが・・。

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