カナダ 1988
監督 ティボー・タカクス
脚本 マイケル・ナンキン
庭に偶然空いた穴から悪魔らしき怪物がわさわさ這い出てきててんやわんや(死語)って映画。
さて、なぜ庭の穴から怪物が這い出てきたのか?
それはひとえに悪魔を召喚すると言われる石を主人公少年が割ってしまったから。
で、なぜその石が悪魔を召喚するものであると少年は知ったのか?というと悪魔信奉者であることを公言しているロックバンドがリリースしたアルバムのライナーノーツに詳しくその旨、記されていたから、なんですね。
・・・・・さあて。
どうしたものか、と。
最大の懸念事項は、真剣に見るべきなのか、それともおふざけなのか、一向に判別つかない点だったりしまして。
まあ、いい大人があらすじ追ってて「そりゃ間違いなく本物の悪魔呼んじゃってるわ、怖ええええ」とはまず、ならないわけで。
かといってホラーコメディな方向に突き進んでるわけでもない。
特にクライマックスシーンにおける少年の活躍なんて、誰の助けも得られない状況下での大奮闘が描写されてて思いのほか劇的だったりしますし。
じゃあ、いったいどう解釈すべきなのか、ってことなんですが、これ、ジュブナイルと考えると割と尻の座りがよかったりもするんですね。
子供のための冒険映画みたいなもの、と思えばそれほど悪くはないかな、という気もしてきたりはする。
その前提を間違えると、雑でゆるい三文ホラーで終わってしまう危険性大。
あえて大人が着目すべき点としては、異形の存在をすべてクレイアニメで表現したこだわりぶりでしょうね。
さすがにCGにも劣らぬ出来とは言えませんが、写実感は古典的手法ながら生々しさ充分。
そういった意味での物珍しさがマニアにこの作品を語り継がせているんだろうなあ、と思います。
深い印象を残す作品ではありませんが、サクっと見れて、ああ良かったね、で終わる佳作じゃないかと。
80年代らしい、といえばそうかもしれません。