プライベート・ベンジャミン

アメリカ 1980
監督 ハワード・ジーフ
脚本 ナンシー・マイヤーズ、チャールズ・シャイヤ、ハーヴェイ・ミラー

プライベート・ベンジャミン

二度の結婚生活に失敗したお金持ちのお嬢様が捨て鉢になってアメリカ陸軍に入隊、養成所でデタラメをやらかす様を面白おかしく描いたコメディ。

アメリカではおなじみの軍隊喜劇なわけですが、主役が女性、というのが当時としては目新しいアプローチだったように思います。

性差が意外性に満ちたストーリーを構築してる・・・というわけでもないんですが、楽しい映画だ、と素直に言える良さはありましたね。

ま、正直、お嬢様のズレた感覚と軍隊生活のギャップをどう演出するのか、いささか手ぬるいと思いましたし、先の予想のつくシナリオライティングも凡庸さを隠しきれてないし、最終的に庇護されるだけの存在だったお嬢様が自立を志す、というオチもパンチが弱いしひねりがない、と感じたんですが、それら全部をなんとなくうやむやにしちゃってるのが主演のゴールディ・ホーンの存在。

やっぱりこの人は稀代のコメディエンヌだなあ、とつくづく思いましたね。

決して大したことはやってないんですよ。

もう本当に沸点の低いお笑いで、キレもないのに、ホーンがやるとなんだかクスッっときちゃう、というかね。

キュートでかわいらしいのに、そこに気どりがなく、全身で楽しさを表現しようとする姿勢がね、退屈さ、つまらなさを自然と遠ざけるんですよね。

そういった意味じゃあ、ホーンのスター映画、と言っていいでしょうね。

彼女ありきのコメディなのは間違いない。

見終わって、特になにも残らないです。

だからなんなんだ、とつっこむ人も結構いるんじゃないか、という気もする。

けれどホーンの喜怒哀楽豊かな表情だけは不思議と記憶に残ってる。

そういう一作ですね。

決して優れてるわけでも突出してるわけでもないですが、なぜだかいつまでもファンの口の端にのぼるのがわかる気もします。

どういうわけか内容忘れないんですよね、こういう映画って。

夜中にお酒飲みながらダラダラ見るにはぴったりかもしれません。

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