ヘンリー・カウのクリス・カトラーとフレッド・フリスが歌姫ダグマー・クラウゼとともに立ち上げたバンド。
さて、プログレを愛するアルティメットなリスナーのみなさんにとってヘンリー・カウと言えば前衛ジャズ・ロックの大看板であり、カンタベリー・シーンの重鎮であるわけですが、以前にも書いたように、私はカンタベリー系の音ってのは苦手。
どこにカタルシスを見い出せばいいのかわからないんですよね。
なので、あのヘンリー・カウの2人がやってるバンドなのか!って部分での興奮はほぼない。
むしろ警戒してしまう、というか。
またなにか小むづかしい音やってんじゃないかしら、みたいな。
ま、その予感はほぼ的中していたわけですけど。
いや、むしろ上回ったな、想像以上、って意味で。


私が聞いたのはwinter song/the world as it is todyの2in1(1979~80)とhopes and fears(1978)なんですけど、いやーもうわけがわからん。
ベースにあるのはフリージャズだ。
それは理解できます。
ただ、なんでこんなに不穏で禍々しくて、ともすればヒステリックだったりするの?というのが私のキャパを超えてて。
気持ちがよい、と思える進行やフレーズが欠片もないという。
不協和音じゃないのに不協和音に聞こえてしまう感じ?
かと思えば超絶なアンサンブルをさり気なく決めてたりもするんでほんとタチが悪い。
相当耳が肥えてないとこの音に発見や興奮は得られないんじゃないか、と思いますね。
私にとっては悪酔いする音。
ああ、プログレの荒野のあまりに広く闇深いことよ。
