スーサイド・スクワッド

アメリカ 2016
監督・脚本 デヴィッド・エアー

スーサイド・スクワッド

そもそもDCコミックにそれほど詳しいわけじゃない、というのがまずありまして。

その悪役たちを一堂に会したスピンオフ的企画、となるとそれはなおさら。

ジョーカー以外は「誰やねん」っちゅー話なわけです。

で、その手の「予習なんざしたくねえ」という私のようなわがままな新参者に対して親切な作りになっているのかどうか?がこの場合小さなハードルとなるわけですが、そこがね、ちょっと微妙なラインでしたね。

いや、主要キャラとなるデッドショットやハーレイ・クインあたりは丁寧にその背景を説明していたように思うんです。

ただね、その説明に「何故彼(彼女)なのか」という、一番肝心な観点が抜け落ちてるように私は感じた。

え、そりゃバットマンで有名なキャラだから、というのは情報強者の論理ですよね。

広く一般に見ていただくことが目的であるこの手の商業映画において、みんな知ってるでしょ?はやっぱりいささか傲慢だと言わざるを得ない。

結局なにが欠落しているのか、というとデッドショットの凄みであり、ハーレイ・クインの強さの理由だったりするわけです。

それを知名度に寄りかかるがあまりにないがしろにしていた印象。

これは他のキャラにも言えていて。

それぞれの得意技は理解できる。

人柄もわからなくはない。

でもそのすべてがテキスト化されたアクションゲームの説明文でしかない。

誰一人として悪党としての特性に血の通った肉付けがないんですよね。

だから、そもそもどれぐらい悪党なんだ?という部分からして見てる側からすれば懐疑的になってくる。

なんかよくわからんが収監されてる人が無理矢理命令に従わされてる、という構図でしか流れを理解できないわけです。

さらに致命的だったのは終盤の展開。

囚人という記号でしかない連中にいきなり「オレタチ仲間」とかほざかれてもですね、中二か!としかいいようがないんであって。

なんで急に連帯意識が芽生えちゃうのか、私にはまるで理解できぬまま。

本気で撮ってるか?デヴィッド・エアー?と真剣に疑った。

また物語の根幹たる「魔女の心臓」のくだりにしてもですね、言うなれば自業自得であって、あってもなくても展開かわらねえじゃないかよ、とつっこむ隙丸出しなのも気になりましたし。

少年漫画レベルのチープさだと思います。

ハーレイ・クインのお披露目以上の意味を持たない一作。

私は評価できないですね。

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