2009年初出 アントンシク
小学館少年サンデーコミックス 1~3巻(全8巻)

空を飛ぶことが禁じられた高地の王国で、空にあこがれる少年ニットの冒険を描いた異世界ファンタジー。
いかにも悪役な王様にバカ王子、迫害される主人公、優しい幼なじみと、王道とも言えるベタな設定、ストーリーで、いくらデティールや世界観にこだわってもこりゃなにかと難しいぞ、と思ってたら回を重ねるごとにどんどんおもしろくなっていくのだから本当にたいしたものだアントンシク。
なんといってもリンドバーグと呼ばれる謎の飛行生物のアイディアが秀逸。
飛ぶことは出来ないが「空気を蹴る」ことが出来る、とはなんとも色々期待させる不自由さではないかと。
ガゴゼの完成度はまぐれではなかったってことですね。
まだ3巻までしか読んでないので断言は出来ませんが、ありきたりなファンタジーに座することなく唸らせてほしいものです。
きわどいな、と思える焼き直し感も強いんですが、それでもファンタジー好きにはたまらんのではないでしょうか。