アメリカ 2014
監督 ウェス・ボール
原作 ジェイムズ・ダシュナー

アメリカで大ヒットしたティーン向けの小説3部作を映画化。
映画も3部構成になるようです。
第1部にあたる本作では、謎の閉鎖空間に閉じ込められた青年達の決死の脱出行を描いてます。
行く手を阻むのは日々ルートを変える巨大迷路。
しかも迷路内には蜘蛛の化け物みたいなモンスターが放し飼いにされてて人を襲う。
主人公はいかにして出口を探し当てるのか、と言うのが見どころなわけですが、 まあどうしたってCUBEを筆頭にその手のシチュエーションスリラーが思い出されるわけです。
普通にアドベンチャーゲームじゃないか、というツッコミも充分成立するでしょう。
ただこの作品が他の類似作と違うのは、現実的に考えてありえないだろうと思われる巨大迷路脱出大作戦を、何者が、どういう意図で考案したのか、きちんと納得のいくオチをつけようとする気配が見受けられること。
とりあえずエンディングは、なるほど、そっちへ話をもっていくか、と少し感心。
説明とかしないから状況だけ楽しんでね、とばかりに物語を投げてないんですね。
そこは素直に立派だと思います。
しかしこれは難事業だ、とも思います。
とんでもない科学力と膨大なコストがかかっているであろうこの迷路に、それなりの根拠なんて提示できるのだろうか、と。
3部作をすべて見終わるまでなんとも評価は難しいですね。
ちなみに新鋭ウェス・ボールは堅実にいい仕事をしてる、と思います。
不条理なサバイバル劇を、ちゃんと等身大の若者の人間関係に焦点を当て、大きく踏み外すことなくカタルシスたっぷりに描いてる。
デティールにこだわるとあれこれ疑問に思う点もないわけではないんですが、ここまでやってくれたら充分及第点でしょう。
次作が気になる一作ですね。