アメリカ 2002
監督 ギレルモ・デル・トロ
原作 デヴィッド・ゴイヤー
クロノス(1993)、ミミック(1997)とホラー寄りで作家性の強い作品を撮ってきたデルトロがなぜマーベル?と当時はいぶかしんだものですが、パシフィック・リム(2013)を経験後の今となっては何の不思議が?ってな感じなんですから長生きはするものです、って、まだそんな歳じゃねえけど。
さすがにあらためて見るともう古く感じるかな?と構えたりもしたんですが、どうしてどうして普通におもしろい。
原作がしっかりしてる、というのもあるんでしょうが、吸血鬼と人間のハーフが刀剣を振り回し、大挙する吸血鬼をなで斬りに倒していく、という画は今見ても斬新に感じます。
しかもそれが筋骨隆々たる黒人、というのが凄い設定ですよね。
今作より新たに登場したリーパーズも吸血鬼というよりはどこかエイリアンっぽくてインパクト充分。
口蓋がかぱあ、と十字に割れておそいくるシーンなんてほんと気持ち悪くてですね、まるで人間大の昆虫のようにもみえて、ああデルトロらしいなあ、なんて思ったりしました。
奇妙に美しいエンディングも良。
ブレイドとニッサが本当の意味で心をかよい合わせる寸前にあのラストシーンを持ってきたセンスは見事だと思います。
普通ならあそこで濃密なキスシーンでも用意する、と思うんですよ。
でもあえてそれをしなかったことが、呪われた種族のはかない運命を強く観客に印象づける結果となった。
こっそり端役でドニー・イェンが出演してるのもファンとしちゃあ、たまりません。
ほんの一瞬しかアクションシーンがないのが残念極まりないですが、そのシャープな動きは他の出演者が一斉に霞むほどのキレ味。
デルトロはドニーに、全面的にアクション監督をして欲しかったらしいんですが、ドニーが忙しすぎて叶わなかったみたいですね。
ドニーがアクションに関わってたら凄いことになっただろうなあ、と夢想してやみません。
多分、ウェズリー・スナイプスの動きももっと改善された、と思うんですよね。
決して悪くはないんですがスナイプス、どこか立ち回りにシャープさがないんです。
私が唯一気になったのはその1点のみ。
あとは背骨に沿うように鞘におさめられた刀剣でしょうか。
日本人ならみんなつっこんでると思うんですが、斜めにしないと剣は抜けないから。
物理的に不可能だから。
まあ細部はともかくとして、いい映画だと思います。
アベンジャーズはちょっと無理っぽい感じですが、もう一度スクリーンで活躍するブレイドを見てみたい、と思いましたね。
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