1989初版 鈴宮和由
学研ノーラコミックス 1~3巻(全5巻)
鈴宮和由といえば「とってもひじかた君」しか私は記憶になかったりするのですが、その後、コミックノーラ(廃刊)で活躍されていたみたいですね。
今回後追いで3冊読んでみた次第。
全5巻完結のようですが、続きは未入手。
まあわかりやすく言ってしまえばターミネーターです。
環境が激変し、荒廃した未来で獣人化してしまった人類がタイムトンネルをくぐって、過去の人間を餌にしようと襲ってくる、というお話。
同じ未来人である2人の獣人が、それを阻止せんと、立場を隠して暗躍する、というのがおおまかなあらすじになります。
私が思うにこの作品のネックは二つあって、ひとつは未来世界があまりにも安直なダークファンタジー調のディストピアであること、もうひとつは獣人のデザインが、そのまま動物の姿である、という点でしょうね。
特に後者はヒロイックファンタジーとしてみるなら致命的だったように思います。
巨大な犀に「食ってやる」と人語で凄まれても、いや、その前にあんた普通に犀だよね、というツッコミが成り立ってしまうわけで。
それを主人公である豹に救われてもですね、え?動物大戦争?としか思えないわけです。
読んでいて、多分平井和正のウルフガイが大好きだったんだろうなあ、と思ったんですが、あとがきでその旨、書いてあり、やっぱり、と納得。
作者の熱烈なファン向けの作品でしょうね。
コメディ調のテンポのよさは嫌いではないんですけどね。