アメリカ 1988
監督 ジョン・カーペンター
原作 レイ・ネルソン
異星人の秘密裏な侵略を描いたSFなんですが、ちょっとB級色が色濃いかな、と思ったりも。
みんなつっこんでる、と思うんですが、街の看板やテレビの画像に隠されたサブリミナルな文字が見えて、なおかつ地球人に化けた異星人の真の姿が見えるサングラスって、それ、どういう仕組みなんだよ、と思うわけです。
ドラえもんでもそんな道具は持ってないと思う。
まあ、ここでひっかかっちゃうと先に進めないわけですけれど。
結局、不況が続き、格差が増大、貧困層が蔓延した当時のアメリカの世相を反映していて、これはきっと宇宙人の仕業に違いない、じゃないとおかしい、という発想なんだと思うんですが、はからずもそのプロット自体が資本主義社会の矛盾、富の分配されない社会の構造的欠陥を激しく皮肉っていることを原作者は意識していたのか、それともカーペンターは確信犯だったのか、その意味においてはよくできている、と思ったりはしましたね。
NWAやWCWで活躍したプロレスラー、ロディ・パイパーもなかなかいい演技を見せてます。
特に中盤のキース・デビッドとの肉弾戦は凄い迫力。
とりあえず路上でバックドロップやサイドスープレックスはダメだろう、と。
死んじゃうって。
アクションやストーリーのわかりやすさ、が最大の美点かもしれませんね。
いささかチープさも漂いますが、どこか記憶に残る一作。
らしい、といえば実にらしいのかもしれません。
私は好きですね。