日本 2024
監督、脚本 内田英治

お話が進むにつれてどんどん現実味が喪失していく失敗作
マッチングアプリが発端となって起こった殺人事件を描くスリラー。
まあその、やりたいことはわかるんですが、まずシナリオがダメですね、はっきり言って。
物語を通じていくつかの事件が起こるんですが、それぞれのエピソードがね、残念ながら一連のストーリーとして機能してないんですよね。
相互に関わり合ってない、とでもいうか。
ひとつひとつはバックグラウンドとして物語を彩ってるんですが、それが起承転結のどれにも属してないんです。
わかりやすく言うなら箇条書き風(ト書き風と言ってもよい)。
文章(文脈)ではなくて、あったことを列挙してるだけ。
なので劇中で起こったことすべてが唐突でいきなりなんです。
前フリもなけりゃ伏線もない。
『謎』ってのは、視聴者側に『これはいったいどういうことなんだ?』と思わせてこそ、謎たりえるんであって。
『謎』の提示もなしにいきなり答え合わせをされても、何の話やねん、としか言いようがないわけで。
辛辣なことを言うようですが、サスペンスの文法というか、流儀がわかってない人が書いた作文ですね、これ。
この手の海外映画のエキセントリックな部分だけ真似て再構成した、みたいな。
だいたいね、ヒロインの周りで景気よく人が死に過ぎ。
せいぜいファイナル・デスティネーション(2000)ぐらいですよ、こうもバタバタ周りの人間が死ぬのは。
ホラー映画でももうちょっと躊躇する、って話だ。
要は現実味がない。
どんでん返しありき、になってるんですよね。
どんでん返しのためのシナリオ構成というか。
あと、私が気になったのは時々セリフが死ぬほどクサいこと。
シリアスなシーンで爆笑させてどうするって話だ。
絵面がやたらしらじらしいのも気になった。
特に序盤の殺人現場のシーン、なんか蝋人形館に見物に来てるみたいな気になっちゃったんですよね。
もうちょっと生々しくできんものなのか、と。
うーん、悪い意味で安い漫画みたい、それが総評でしょうか。
とっ散らかりすぎて何を観たのかよくわからなくなった一作でしたね。
ミッドナイトスワン(2020)の監督の作品、ってことで期待してたんですが完全に肩透かしだったなあ。
つっこみどころが多すぎて疲れました。
ねじレート 30/100

