2025 韓国
監督 熊切和嘉
脚本 浪子想、チェ・ドゥクリョン

期待した方向にまるで進んでくれないばかりか、素材すら活かされぬままで残念
山奥の廃神社を訪れた学生に襲いかかった呪いを描くホラー。
韓国映画なのか、日韓共同制作なのかよくわからないんだけど、神戸が舞台の割にはすべてのセリフに字幕がついてるんでおそらくターゲットは韓国の視聴者層なんだろうな、と思います。
日本の神社(神道)をエキセントリックに描こうとしている点からもそれは伝わってくる。
で、逆に言えば、それが日本人にとっていささか大仰に感じられる部分であったりもして。
神社に祀られていたものが、外国由来の何かだった、という発想は悪くないんですが、ちょっとねダイレクトすぎるきらいがあって。
確かに日本の神社はあらゆる得体の知れないものを祀ってますが、祀るにあたって、必ず変換がなされるのは少し調べれば誰にでもわかることで。
サラスヴァーティーが弁財天へ、弁財天が市杵島姫命になりかわるように。
まかり間違っても外国のものをそのままあがめるなんてことはない。
殺傷能力も相当に高すぎで。
そのあたりの詰めがちょっと甘かったかなあ、と。
廃神社に着目するなら、祀られているものの得体の知れなさ、恐ろしさを、十重二十重の謎にくるんで考察させてほしかったところ。
廃神社で祟られてバンバン人死ぬのはいいんだけど(いや、人死ぬのは良くないけどさ)、結局、惨劇を巻き起こしたのは悪神ではなく、人、ってオチになってるのも興ざめで。
廃神社の悪神がラスボスじゃないんです。
単にツールと化しちゃってるんですよね。
いやいや韓国からわざわざムーダン連れてきてですよ、日韓の心霊対決みたいな展開にしておきながら、なんで人コワになるんかな、って。
ムーダンのミョンジン、途中からなんで俺だったんだっけ?みたいな状態になってますからね。
また悪神の祟りかたがねえ、ほぼキリスト教における悪魔と同じやり口でね。
必要なのはムーダンじゃなくてエクソシストと聖書なんじゃねえのか、って。
もうね、ちったあ破墓パミョ(2024)を見習え、と。
得体の知れないものを由来や背景の違う方術、呪術で祓う、ってのはこういうことだ、ってきっとわかるはず。
オカルトの処方箋を書きなれてない感じなんですよね、シナリオライターが。
あと、出演してる役者陣があんまり演技うまくないのも気になった。
比して、ムーダン演じてるのは元東方神起のジェジュンだもんなあ。
悪いけどやたら整ったルックスにあう役柄だったとは思えない。
ま、変に黒いエンディングは悪くなかったです。
これでめでたしめでたし、だったらさらに冷めてたのは間違いないですし。
しかし、鬼畜大宴会(1998)の熊切和嘉がこんな映画撮るようになるとはなあ。
月日の流れは残酷なものです。
ねじレート 51/100

