2004年~2014年初出 五十嵐大介
講談社アフタヌーンKC 全1巻

<収録短編>
ガルーダ
鰐
魚
鬼、来襲
ツチノコ
ダンコンダラスコ
よかったね雨男
マサヨシとバアちゃん
ムーン・チャイルド
ウムヴェルト
短編の大半が「オチなし」「ヤマなし」の雰囲気物で、よくこれが商業誌に掲載されたな、と驚く代物。
掲載誌はエソラ(講談社)少年文芸(新風舎)IKKI(小学館)と多彩ですが、総じて他愛ない、という意味では、五十嵐大介恐るべし、というべきなのかもしれない。
全くブレることなく好き勝手やりたいようにやってなさるんだもんなあ。
よくこれが許されたな、と。
これを作家性と言ってしまえば面目も立つんだろうけど、おそらく時代性や当時の空気が勘違いさせた部分もあったと思います。
五十嵐大介だからこれでいい、みたいな。
違うから。
もしこれでよかったのならIKKIは廃刊になってないから。
とりあえずちゃんとした短編はディザインズ(2015~)の前日譚ともいえる表題作、『ウムヴェルト』だけです。
ああ、カエルの少女ありきの話だったんだ、と興味深く通読。
カエルの少女が異形なのにやたらかわいい点がディザインズとの相違で、これをなぜディザインズに持ち込めなかった、と残念に思うことしきり。
カエルの少女の描き方が『ウムヴェルト』のままだったらディザインズは全く印象違った、と思うんですけどね、みなさん、どう思います?
あと、興味を惹かれたのは『マサヨシとバアちゃん』ぐらいか。
リチャード・マシスンの『縮みゆく人間』とひどく似通ってるんだけど、どういう意図があってこういう内容にしたのか知りたいところ。
あと『よかったね雨男』が諸星大二郎が描きそうなアイディアで少し笑った。
オチが弱いんですけどね。
熱心なファン向けの一冊でしょうか。

