メイコの遊び場

2018年初出 岡田索雲
双葉社アクションコミックス 全3巻

鬼死ね(2013~)の岡田索雲がいつの間にかこんな連載を・・と手に取ったのを記憶してますね。

左目を見たものをことごとく自分の精神世界に取り込んでしまう異形の少女が、悪い大人の言いなりになって暗殺者として跳梁する日々を描いたホラー調のダークファンタジー。

左目を見たものを取り込んでしまう、という発想は特にどの作品と断定するのが不可能なくらい大昔からよくあった設定(目を見たものを意のままに操る悪の大幹部とか、石ノ森章太郎の漫画とかに出てきそう。ていうか蛇女ゴーゴン?)だと思うんですが、この作品が独特だったのはそれが少女であり、洗脳や催眠ではなく自分の中に引きずり込んでしまう、というプロットでしょうね。

たとえ百戦錬磨の暴力団稼業な連中であっても、少女の精神世界の中では何一つ自由には出来ない。

ありえない方法でなぶり殺しにされちゃうんです(巨大フォークで突き刺されるとか)。

少女の中で死んでしまった人間は、現実世界でも正気を失っていて。

二度と回復することはない。

で、自分の精神世界で他者をそんな風に痛めつけられる少女自身、やはりどこかぶっ壊れてて。

学校に通ってないばかりか、常識やモラルがひどく欠落した風で。

そんな少女が、たまたま居ついた大阪の下町で、近所の悪ガキどもと交流しながら少しづつ人の心を取り戻していく、というのが物語の骨子なんですが、この内容で、全くべたつかず、なんかあっけらかんと乾いた感じなのが作者らしいなあ、と。

それが良点でもある、と私は思うんですけどね、悩ましいのは、やりようによっちゃあ、恐ろしくドラマチックになったんじゃないか?と思えること。

なんかね、ホラー風味がちょっと邪魔に感じる部分もあったりするんですよね。

ときどき恐ろしくシュールな絵面とかあって、個人的にはゾクゾクしてたりもしたんですが、主人公メイコの内面に着目するならもっと細やかに心の機微や、変化を描いた方が良かったような気がしますね。

3巻中盤ぐらいまで毎回作劇が同じパターンなのもどうか?って感じですし。

近所の悪ガキと遊んで、そのあと遊びの内容を思い出しながら暗殺に手を染める、で数十話ですから。

そりゃ水戸黄門みたいに鉄板のパターンこそが大事な場合もありますけど、この手の物語で各話のシナリオをパターン化する理由が私にはよくわからなくて。

子供な少女の一面と、残酷な人殺しである少女の一面のギャップを演出したかったんでしょうけど、毎回毎回それをやる必要はなくて。

創意工夫が足りない、と言われても仕方ないと思うんです。

実際、人気も伸び悩んだよう。

とりあえず、ああいうラストにするならね、もうちょっと上手な『引き』を序盤から仕込んでほしかったところですね。

決して悪くはないんですが、パッとしない。

それが実状かと。

このプロットで高橋葉介に描かせてみたい、とちょっと思いましたね。

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