2025 アメリカ
監督 レン・ワイズマン
脚本 シェイ・ハッテン

『バレリーナ』ってタイトルになるほどバレエは関わってないんだが
『それほど』期待はしてなかったんですが、『それほど』すら消し飛ぶ勢いで、お話がびっくりするぐらいステレオタイプな復讐譚で脱力、といったところでしょうか。
こうも何のひねりもない物語を、よくぞまあ、俎上にのせてこれたもんだなシナリオライターは、とあっけにとられるレベルでしたね、いや、マジで。
ま、本家ジョン・ウィック自体も決して優れたストーリーを紡いでいるとは言えないんで、所詮は同根亜種といったところなのかもしれませんが。
だって一行で要約できますしね、ストーリー。
『子供の頃、親父を殺されたんで、殺し屋になって暗殺者に復讐した、以上』なんです。
もう、シナリオに工夫とか意外性とか独自性を忍ばせる気、ゼロですからね。
そのくせおかしな裏社会ファンタジーな気風はしっかり引き継いでる、ときた。
おなじみルスカ・ロマとか例のホテルとかね。
いやいやキャラとアクションだけで勝負する気なのかよ、って。
ジョン・ウィックはキアヌや多彩なゲストがいたからまだ成立したけど、スピンオフでそれはどうなんだ?と。
ま、きっとね、この作品を見てアナ・デ・アルマスのファンになった人もいるんでしょうけどね、正直私は彼女に凄みもカリスマ性も感じなくて。
どこにでもいるお姉ちゃんなんですよね。
それこそ私の敬愛するシャーリーズ・セロン姐さんの半分も存在感ない。
体を張ってるのはしっかり伝わってきます。
ほんとに体当たりで真摯に取り組んでるのはよくわかる。
でもアナでバレリーナの続編が見たいか?と言われれば別に・・・としか答えようがなくて。
また監督がね、一本道な脚本をそのまま字面追うみたいな感じで映像化してて、やばいぐらい盛り上がらないんですよね。
特に前半、少女が裏社会に身を置いて暗殺者に変わっていく展開とか、描くべきことは大量にあったと思うんですよ。
その内面であり、立ち居振る舞いであり、それこそ腕の見せ所なわけで。
それをレン・ワイズマンは見てる側が編集しくじってないか?と疑うレベルでしれっと進行。
びっくりするぐらいなにもないまま、気が付きゃ女殺人者ですから。
「イブ(主人公)、こわれとるやないかーい!!」と思わずつっこんでしまったわ。
どの世界に人殺しまくってまるで平気なうら若き乙女がいるのよ、って話でね。
ここまで禁忌が欠落しちゃってる理由というか根拠がまるで見当たらないんで、イブがもう途中からサイコパスにしか見えなくて(ジョン・ウィック自体がそもそもサイコパスといえばサイコパスかも、だけど)。
結果、見どころはアクションだけでしたね。
男性に比べて非力である点を逆に活かした動作設計はさすが87イレブン、と唸らされるものでしたし、終盤の火炎放射器を小道具に使うアクションは目新しかった、と思いますね。
それだけかな。
あと最悪だったのが、エンディングがまるでジョン・ウィックみたいな顛末をたどっていたこと。
ジョン・ウィックをもう一人作ってどうすんのよ、って。
粗製乱造された時代の香港カンフー映画クラスでアクションだけの一作でしたね。
・・・でも、そこそこ当たったんだよなあ、この映画。
キアヌがちょろっと出演してるんで下駄はかせてもらった、ってことなのかなあ、わからん。
とりあえずケインがこんな感じにならないことを祈る、頼むぞドニー・イェン。
うーん、配信で酒飲みながら見るぐらいがちょうどいい、それが素直な感想ですかね。
ねじレート 60/100

