MAD

2024年初出 大鳥雄介
集英社ジャンプコミックス+ 1~6巻

謎のエイリアン襲来によって人類のほとんどが死滅した世界で、生き残りをかけて戦う主人公を描いたサバイバルSF。

一読して、ああ、この人(作者)はもうほんとに洋画が好きなんだな、って。

近年でいうならクワイエット・プレイスシリーズ(2018)とかバード・ボックス(2018)とか。

知らないとは言わせねえ。

その手のサバイバルSFのエッセンスがこれでもかと作品世界に注ぎ込まれてることぐらい、知る人が読めば一目瞭然。

特にレオンのキャラなんて「いかにも!」としか言いようのない洋画お得意のサイコパスだったりしますしね。

また絵が硬くてねえ。

あんたアメコミも好きだろ、と。

普段、映画見まくってる(私のこと)せいもあってか、もー、既視感半端なくて。

ま、正直、いいのかこれ?と思わなくもなかったんです。

『漫画と映画では媒体が違うし、アメリカと日本じゃ国だって違う』と言ってしまえばそれまでなんですが、あまりにも元ネタバレバレというか、シネフィルからしてみりゃ意外性がなさ過ぎて唖然とする舞台設定であり作劇だったりするんで、物珍しさ(ここまで露骨なのはあまりない、という意味で)より、作者のファン気質が度を超えてる、と感じる点があまりにも多くて。

それでも私がなんとなく続巻を追ってたのは、アメリカ映画の影響下にありながらも主人公がシンジ君(エヴァ)みたい、という奇妙なハイブリッドを成立させていたから。

主人公ね、大人なのにすぐ泣くんですよ。

死んだ妹の面影に支えられてなんとか両足で立ってるような気弱な男なんです。

いやいやこのキャラでどうやって展開させていくんだ?という興味が少なからずあって。

あとあとこれは泣き芸だったのかもしれない、と気づくんですが、序盤の段階ではアメリカ製の器に和食のテイストを加味した料理が盛られてるように感じられたんですね。

で、それが、あ、これは和食のテイストじゃなくて、まさに和食そのものでジャンプ印だわ、と気づいたのが3巻ぐらい。

ネタバレになってしまうかもしれませんが、私は「怪獣8号じゃねえかよ!」と思わずツッコんでしまった。

洋画かぶれと思わせておきながら、ジャンプ流行りの路線に着地を決めるとか、なんて周到?(埒外?)なんだ、とちょっと呆れてしまいましたね、私は。

ただね、それでもなんか惹かれるものがあることは確かで。

多分、今後はバトル漫画の王道を行く展開になるんでしょうけど、もし作者がエイリアンの理(ことわり)を解き明かすエンディングを用意するつもりがあるなら少しは期待してもいいんじゃないかな、って。

あと、欲を言うならもう少しエイリアンの戦闘シーンを整理して作画してほしいところ。

なにやってるんだかよくわかんないんですよね。

ただでさえリドリー・スコットのエイリアンにデザインが似てるってのに、動きが本家より劣ってどうする、って話でね。

もうしばらくは様子見ですかね。

願わくば、最終巻までたどり着けますように(私自身が)・・ってところでしょうか。

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