2026 アメリカ
監督 パトリック・ヒューズ
脚本 パトリック・ヒューズ、ジェームズ・ボーフォート

ロボがやばすぎて笑えてくる
アメリカ陸軍レンジャー部隊の最終試験の最中に、常識外の物体と遭遇した訓練兵たちを描くサバイバルSF。
トレイラーをNETFLIXで見ちゃったんで、SFだってことはわかってたんですが、それでも序盤は普通に『軍隊もの』すぎて、あれ?SFじゃないのかな?と何度かいぶかしんだり。
それほどに本格的だった、ってことなんですけどね、逆を言えば。
やけにドラマがしっかりしてるんですよ。
進行にメリハリがあるし、主人公の秘めたる決意にまつわる視聴者の興味を惹く仕掛けもしっかりしてて。
エクスペンダブルズ3(2014)を見たときはさして印象に残らなかったんですが、知らぬ間に腕を上げたな、パトリック・ヒューズ、ってなもの。
別にこのまま『軍隊もの』で最後まで突っ走ってもらってもかまわないな、と思えたぐらいなんで優秀だったことは間違いない。
ま、もちろんそのまま現実的に物語は結ばれることなく、中盤で、80年代日本サンライズか!ってなモビルスーツ系の巨大マシンがど派手に登場するんですけど、私なんかは「なんじゃこれ!」と仰天するより「大丈夫なのか」と少し心配になった次第でして。
いや、せっかくね、シリアスな路線でいい感じに物語を紡いでたのに、ロボ(もうロボって言っちゃう)登場させるとか、突拍子なさすぎなことないか?って。
見た目がアニメというか、漫画みたいなロボが全部ぶち壊しに(物理的な意味じゃないよ)しちゃいそうな気がして。
このシチュエーションに現実味を持たせる、って大変だと思うんですよ。
前半が前半なもんだから、観てる側に強引な切り替えを強いることは確か。
そこをね、監督は呵責のない残酷さを見せつけていくことで上手に目線をそらした気がしますね。
なんじゃこのロボ、としらける隙を与える間もなく、チームの訓練兵たちがバンバン死んでいくんです。
いやいやちょっとまて、全滅する、全滅する!と観ててこっちが焦るほど累々と野山に重なる死体。
しかも主人公一行はそんな絶体絶命の危地にありながら、負傷した仲間を担架で引きずっていく、という漢気をみせるんです。
ガイ・リッチーのコヴェナント(2023)か!ってなものですよ。
これが盛り上がらないはずがない。
力技で視聴者を振り向かせるのではなく、作り手が自分たちの作劇を信じたのが功を奏した、と言えるように思います。
終盤の最終決戦なんて「その手があったか」と大興奮。
きちんと主人公のドラマも回収されていてお見事の一言。
こりゃアトラクション(2017)みたいに連作できるんじゃないか、と思いましたね。
ただ唯一ね、私が気になったのは終わってみればこの作品が軍隊礼賛なメッセージ性を孕んでいるように感じられたこと。
古い例えで恐縮なんですけどスターシップトゥルーパーズ(1997)みたいな調子なんですよね。
プロパガンダ映画と言い切ってしまうのはあまりに不憫ですが、いささかきな臭い、そんな気はしました。
面白いのは確かなんで、見て損はないと思うんですが。
あとは個々の判断でしょうか。
ねじレート 82/100

