2025 日本
監督 元木克英
脚本 林民夫

宮館涼太の嫌な奴ぶりが様になっててアイドルとは思えず
主人公の祖父の兄が残した日記を発端とした怪現象を描くオカルトミステリ。
・・・とか言いながら、これ、オカルトミステリではなくてあんまり上手じゃないSFなのではないか?と思う自分もいる。
立ち上がりは間違いなくミステリ調なんです。
ただ、ちりばめられた謎を解き明かす公式が現実的帰納ではなく、謎論理の謎手法を用いたものだったりするのがタチ悪い。
事態の打開を頼まれる北斗総一郎(宮館涼太:演)って人物がいるんですけどね、こいつがねー、ほんとわけのわからないことばかり言うやつで。
「この手帳には『籠り』と私が呼ぶ、人の残留思念みたいなものが強くこびりついてる」とか、言い出すんですな。
はい、新興宗教。
ま、この手のトンデモ理論みたいなのは、心霊が大ブームになった70年代以降、欧米や日本で泡沫のごとく主張されては消え、を繰り返してきたわけで。
それを2026年にもなってまたわざわざ蒸し返すの?と思ってしまうわけですよ、私なんかは。
でね、墓石の文字が書き替えられたことや、主人公の祖父の失踪等、全部その謎理論で説明しようとするわけですよ、物語は。
もちろん主人公は反駁します。
反駁するんですが、結局は他にどんな説明がある?と言い返されるだけで、かえって謎理論を補強する役割を担ってしまう有様で。
一応、終盤に予想外のオチが待ち受けてはいるんですが、そもそもの骨格(物語の)が受け入れがたい便法で成立してるんで、なるほどそうきたか!とまるでならなくてねえ。
さらには、要約してしまうなら、これって近年のマーベルが得意とするマルチバースの概念と何が違うんだ?と、私なんかは思ってしまうわけですよ。
『籠って』んだかなんだか知らないけど、とどのつまりは結局マルチバースかい!それならアベンジャーズ(2018)観とくわ!って話でね。
また、戦時中の南方諸島で飢えに苦しんだ兵士が火喰い鳥を喰おうとした、という日記のエピソードも物語のカギになるほどでは・・と思えて仕方なくてね。
もうそんなのね、考えるまでもなく予想がついちゃうわけですよ、ああカニバリズムを火喰い鳥って言ってるわけね、って。
実際にそうだったのかどうかはここでは言及しませんけどね、ありがちな話を突飛な色で塗りたくったところで物語は華麗に走り出したりはしないんであって。
さらにはラストシーンがね、これまたある映画にほんとそっくりでね。
ま、全領域異常解決室(2024)でもやってたけどね。
うーん、あんまり評価できないですね、私は。
あと、現実と虚構を行き来する演出があんまり上手じゃないのも気になった。
ぶった切られたような編集になってるんですよね。
つながってないんですよ、お話が。
雨の中の慾情(2024)でも観て勉強しろ、と。
原作は横溝正史ミステリ&ホラー大賞を受賞してるんでまた別物なのかもしれませんが、映画に関しては、私はもういいかな。
タイトルはインパクトあったんですけどねえ。
ねじレート 58/100

