2024 アメリカ/コロンビア
監督、脚本 マイケル・S・オヘダ

よくあるパターンの最凶ヒロインものかな、と思いきや終盤に衝撃の展開が
「舐めてた女が実はキリングマシーンだった」系のバイオレンス。
一軒家に籠城した主人公の女と、妊婦に子供と車椅子の老人(要するに戦力として勘定できないってこと)VS警察官(特殊部隊含む)の戦いを描いた作品です。
監督はサベージ・キラー(2013)で一部好事家の圧倒的支持(私を含む)を得たマイケル・S・オヘダなんでこりゃ期待せざるを得ない。

まあ、物語自体はよくあるパターンといっていいように思います。
いくら何でも主人公強すぎだろ!と思わずつっこんでしまうところまで、この手のアクション映画のありがちな路線の踏襲と言っていいと思う。
んで、踏襲してるだけならまだ無難ですんだか、と思うんですが、いささかしくじってたのが主人公ドミニクに「見ず知らずの家族のために体を張る理由がない」点でして。
下手すりゃ命を落としかねない戦いに身を投じるには動機が薄すぎる、というか。
もうちょっと「やらざるを得ない根拠」を明確にしてくれてたらもっと盛り上がっただろうなあ、と思われるんですが、あいまいなまま。
警察との攻防における作戦の丁寧な描写や、各キャラクターの作りこみがしっかりしてたんで、ドミニクが何考えてるのかよくわかんなくても(なぜ体を張るのかわかんなくても)観れることは観れるんですが、もう少し主人公の内面を掘り下げることができていたら作品のランクはもう一段階上がっていたでしょうね。
あまりに無法で滅茶苦茶やりすぎだろ、と思われる点もどっちかというとマイナスだったかも。
いくら南米コロンビアでもそこまでやらんだろ、と首をかしげるレベルで警察が極悪非道なんですよね。
ドミニクを引き立てるべく脚本書いてたらつい興がのっちゃった、ってことなのかもしれませんが。
で、そのままドミニク無双で終わってたら数日でこの作品も記憶から消えていたことだろう、と思うんです。
そうは問屋が卸さないのがマイケル・S・オヘダ。
いや、びっくりしましたね、終盤の展開。
思わず声がでた。
ここまで苦労させておきながら、そんなかんじで突き落とすの?マジか?って。
スプラッターホラー観ながらホルモン食える私が思わず目を背けちゃったからね。
いやはや残酷。
マーダーライドショー2(2005)かよ、って。
正直、監督がなんでこんなオチにしたのか、よくわかりません。
このオチのせいでエンディングが早送りみたいな編集になっちゃったしね。
現実味を濃くしたかったのかなあ、なんて考えたりもするんですけど、それを言い出すとドミニクの存在自体が荒唐無稽だし、最後の戦いにバズーカ持ち出してくる追跡部隊そのものが戦場かよ!と呆れてしまうほどに過剰ですしね。
実は意外にペシミストなのかもしれません、監督。
ちなみに主演のオクサナ・オルランは若くはないけど脱ぎっぷりもよし、アクションも体当たりでなかなか熱演でした。
上手にやればシャーリーズ・セロンみたいにアクション女優のアイコンとして活躍できるかも。
総ずるなら、いくつかひっかかる点もあるが、なんか爪痕のこした映画、そんな感じでしょうか。
ねじレート 75/100

