KILL 超覚醒

2023 インド
監督、脚本 ニキル・ナゲシュ・バート

ニューデリーへと向かう約1200キロのルートを走る寝台列車を占拠した強盗団に、たった一人で立ち向かう軍人を描いた皆殺しのバイオレンス。

シナリオは恐ろしくシンプルです。

大事な人を奪われてマジギレした主人公が、数十人に及ぶ強盗団を一人残らずあの世送り、ただそれだけ。

物語の構造はジョン・ウィック(2014)の第一作目に似てる、と言えるかもしれません。

ま、ジョン・ウィックの場合は犬で、本作は人間だから、まだ本作の主人公アムリトの方がまとも、と言えるかもしれないですけどね。

いや「どっちもまともじゃねえだろ!」というご意見にはうなずくしかないんですけどね、はい。

戦いの舞台が寝台列車という閉鎖空間であることが特徴と言えば特徴なんですが、これもねえ、新感染(2016)やブレット・トレイン(2022)で話題になった設定ですしね。

そういやドニー・イェンも新作プロセキューター(2024)で列車内大暴れを披露してたな。

つまりは、物語にさしたる新鮮味はない、ということ。

『キレさせてはまずい〇〇』シリーズなんですよね、結局は。

正直、なんでこの映画がインドのみならず世界で評判になったのか、いまいち理解できなかったりはするんですけど、しいて印象に残った点を挙げるとするならやはり『熱量』でしょうかね。

まー、熱い。

とにかく熱くて、容赦なし。

また強盗団の指示役がほんと絵にかいたような悪党で。

こいつはもうマジでゆるせん、と見ててはらわた煮えくりかえる凶行を繰り返すんですね。

要するに、主人公の正義の鉄槌にひどく共感しやすい仕組みになってる。

目には目を、歯には歯だよ、こんな連中なんて!とつい応援したくなっちゃうんですね。

そのあたり、インド映画お得意の手口だよなあ、って。

RRR(2022)とかお好きな方ははまるかもしれませんね。

個人的には『復讐の連鎖』に遠く思いを馳せたりしちゃったんですけどね。

そりゃ世界中から紛争なくならんわ、みたいな。

いや、残虐性に加減がなかったもんだからさ。

ま、列車内でのアクションを細かく追ったカメラワークと(どこから撮ってるんだ?ってなアングルがある)、現実味の高い格闘シーンは評価できると思います。

特にアムリトの動きは香港でもムエタイでもマーシャルアーツでもなく、広義の軍隊格闘術を彷彿させるものでリアルでしたしね。

なぜか拳銃をほとんど使ってないのが不思議ではありましたが。

インドでは裏社会の人間すら拳銃持てんのかな?わからん。

何も考えずに観る分にはカタルシス得られるかもしれません。

ぶっちゃけ私はそれほど熱中したわけでも興奮したわけでもなかったんですけどね、すまん。

うーん、なんだろ、真面目というと語弊があるかもしれませんが、とにかく迷いなく直情的すぎるように感じてしまうんですよね。

これがハリウッドだったら「アムリト、いかれとるがな笑」とその狂気にツッコめるんだけど、インドだと真剣すぎて笑えないしツッコめない、というか。

あと、主人公、不死身すぎ。

何度もつかまっては脱出、の逆転劇を繰り返しすぎ。

あ、そうそう珍しくダンスシーンがなかった点は苦手な人にとって朗報かもしれません。

ねじレート 70/100

タイトルとURLをコピーしました