2022年初版 岡村星/沙村広明
日本文芸社ニチブンコミックス

なんで日本文芸社から沙村広明と岡村星の合作?と、突然すぎて目が点になったのがこの一作。
Webや漫画ゴラク誌上で告知とかあったのかもしれないですけど、私の目にはとまらなかったものだから、書店で本作を前にして一時停止状態ですよ。
調べてみたら、沙村広明と岡村星がいつのまにか結婚してて二重にびっくり。
いや、タレントじゃないんだから発表する義務はないけどさ、沙村広明といえばアフタヌーンの大看板だし、岡村星もラブラブエイリアンがドラマ化された実績をもつ名のしれた漫画家だから、もう少し話題になってもいいように思うんだが、ネットニュースにもなってなかったのはどういうことか?と思いますね。
いや、なってたのか?見落としてたのか、私?
どうあれ、レアケースだと思いますね、こういう合作って。
だってね、松本零士と牧美也子が、弘兼憲史と柴門ふみが合作発表したことがありますか?って話なわけですよ(ビッグネームすぎるか、すまん)。
どういう経緯で単行本化に至ったのか、詳しくはわからないですが、残念だったのは、どちらかが作画を担当する、ないしはキャラごとにそれぞれが作画を担当する、という形ではなく、沙村作画の短編と、岡村作画の中編2編で単行本が構成されていること。
あとがきを読む限りでは双方の意見が作品には反映されているようですが、読後の印象として、やはりこれは合作ではなく、両者の作品を抱き合わせた一冊のように感じられましたね。
なにか統一されたテーマがあるわけでもなく、お互いが好きな題材に取り組んだ風なのもあんまりよくないように思えた。
口さがない言い方をするなら、両者のネームバリューをかけ合わせて実売部数のばそうとしてるだけじゃねえかよ、って。
合作ならね、せめてどちらかが脚本担当する(演出でもキャラ設定でもなんでもいいけど)とか、単行本1冊分を使って連作するとか、やってほしかったですね。
サムラ・オカムラマガジンみたいになっちゃってるんですよ。
また沙村の短編が低調でねえ。
で、そんな沙村の短編にすらどこか及んでないように感じるのが岡村の中編2編で。
なんか露骨に比較されちゃうと思うんですよ、こういう形だと。
岡村星って漫画家の良点、美点はこの手の人間ドラマだと上手に機能しなくて!・・・などと思わず擁護しそうになったり。
お二人共、好きな漫画家なんでね、こんな風に変な形でダメ出しされそうな作品集は手がけてほしくなかったですね、正直なところ。
ていうかテンタクルどうなってんだよ、岡村、3巻出ねえぞ!と調べてみたら、電子書籍オンリーになってた。
あー、えっと、色々すまん。
買うわ、電子書籍。