探偵はBARにいる

日本 2011
監督 橋本一
脚本 古沢良太、須藤泰司

東直己の「ススキノ探偵シリーズ」を映画化した作品。

私は原作読んでないんですが、映像を見た限りでは「あの頃のテレビドラマ」を露骨に意識した仕上がりになってるなあ、ってちょっと笑ってしまいました。

代表的なところでいうなれば、松田優作の探偵物語やショーケンの傷だらけの天使等への憧憬が、これでもかと作劇ににじみ出てて。

それが原作に由来するものなのか、制作側の意図なのかはわかりませんが、私なんかは初見とは思えぬ妙な懐かしさを感じたりもした。

ただ、キャスティングがね、大泉洋と松田龍平なんでね。

松田龍平はまだいい。

ついに龍平も探偵役やるのか、と感慨深いものがあったし(すでに他の作品で演じてるのかもしれませんが)キャリアを鑑みるなら、きっとどんな役であれ自分のものにするんだろうな、という安心感がある。

問題は大泉洋。

私が不勉強なだけなんでしょうけど、大泉くんって、水曜どうでしょうのイメージしかなくて。

大泉が探偵は違うだろ、と思ったんですよね、反射的に。

ま、考えてたりよりも大泉洋は演技上手かった。

ああ、こういう事もできる人なんだ、と見直した部分もあった。

ただ、キャラ的にね、裏社会とつながりのあるようなアウトローの探偵が、こんなにも直情的で、後先顧みず己の正義を貫こうとするような人物なのはどうなんだ?と思いましたね。

やっぱり現実的じゃないと思うんですよ。

こんな人間が探偵なんてやってたら命がいくつあっても足りない。

もっと姑息でずるくてもいいのに、変なところで生真面目なんですよね。

「連絡を取りたければここのバーに電話してくれ」が決め台詞だったりと、ハードボイルドな体裁だけは取り繕ってるんですけど、探偵の性格設定がどこからしくなくてなんかチグハグに感じるというか。

あと、ミスリードの仕方が下手なのも気になった。

どう考えても「謎の電話の女」は彼女しか考えられんのだがなあ・・と思ってたら、やっぱり彼女だったし。

最初からバレとるやないかい、と。

どうなんですかね、どこかルーズで(詰めが甘い)、なんかこじんまりした印象が残ったんですが、3作も続いてるんで、きっと世間的な評価は高いんだろうなあ。

あと、松田龍平が派手なアクションシーンを演じていて、こんな事もできるんだ!と感心したんですけど、調べてみたら一部、超早回しで編集してるとか。

・・・まあ、いいんだけどね、CG全盛な昨今ですし。

個人的には大泉洋に、もっと悪ふざけ全開でスチャラカ(死語)な探偵を演じてほしいところですが、2作目、3作目はどんな感じなんでしょうね?

機会があれば見てもいいかな、と。

ねじレート 62/100

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