きさらぎ駅

日本 2022年
監督 永江二朗
脚本 宮本武史

かつての2chで「怖い」と話題になったネット怪談(都市伝説?)を映画化した一作。

私もコトリバコとか八尺様はスレ見たことがあって、怖っわー、と震えた記憶があるんですけど、これね、掲示板という双方向性なドキュメントでこその恐怖であってね、それを映画という媒体で再構築する、ってどうなんだ?と思ったりするわけですよ。

絶対とは言わないが、ほとんどがしらじらしくなっちゃうのは間違いないと思います。

そもそもが求められてないと思うんですよね、映像化を、活字や漫画と違ってね。

実際に役者が演じてる「きさらぎ駅」がみたい!と思ってる人なんて皆無に近いんじゃないか、と。

文章を補足する意味で映像にするのが最適、みたいなお話でもないですしね。

結局、話題性だよな、って。

「きさらぎ駅」というそれなりの「知名度」の「撒き餌」をばらまいておけば、よくわかってないやつが食いつくだろ、みたいな。

普段ならこの手の映画は100%見ないです、私。

なのになんで手を出したかというと、予想外に識者の評判がいいから。

中には、騙されたと思って見てみ、などというやつまで居る。

そこまでいうなら、と重い腰をあげたわけですけど、ぶっちゃけ、開始15分で早くも後悔しましたね。

すさまじく胡散臭いというか、いやいやそれはないだろ、と思う展開、進行のオンパレード。

正直、真面目にやってる?とすら思った。

いやまあ、真面目じゃなくてもいいんだけど、じゃあ、逆に笑えるか?というとそうでもないんで、集中力がひたすら削られていくばかりの時間を耐えるしかなく。

またCGというかVFXがしょぼくてねえ。

日曜の朝に放映してる戦隊ものレベルでチープ。

あー、お金がないんだなあ・・・って。

ジャンプスケアのセンスが壊滅的にないのも気になった。

怖くて驚くどころか、は?なにやってんのこれ?と意図を測りかねる演出だらけでね。

なんだかもう色んな破綻や、へんてこな作劇ぶりに、終盤は「コレ見ながらなんか他にできることないかな?」と軽いストレッチでバキバキと背筋鳴らしてみたり。

で、迎えたエンディングですよ。

ああ、なるほど、と。

予想外のどんでん返しに、評価されてる理由を知る。

しかし、だ。

そこにたどり着くまでが本当に長いわけですよ。

でね、最後にひっくり返してくれさえすりゃ良作なのか?という疑問もあるわけですよ。

オチありきのストーリーテリングとか、それ、方程式であって物語じゃないですからね。

お暇な人はどうぞ、って感じですかね。

古今東西のホラー界における、いつもブルペンで肩温めてるんだけど一向に檜舞台へ呼ばれぬ奴ら、って大量にいると思うんですが、そんな奴らと同じ箱にそっと入れて、もう二度と外に出したくはない、ってのが本音ですかね。

うん、お疲れっす。

ねじレート 31/100

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