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2023 アメリカ
監督、脚本 ウィル・メリック、ニック・ジョンソン

パソコンの画面上にて、事件のすべてが展開することで話題になったサーチ(2018)の続編。

原題がMISSINGなんで、厳密には続編じゃないのかもしれないですけど、手法はサーチと全く同じです。

今回もパソコンの画面上ですべてが進行していく。

ちなみに、ストーリーに前作とのつながりは一切ありません。

旅先で突然行方不明となった母親を、ネット上の痕跡から辿っていく娘の奮闘が描かれてます。

しかしまあ、それにしてもね、スマホで初めてネットに触れたかのような中高年がいかに無防備か、つくづく思い知らされる内容になってますね、この作品。

私はWINDOWS95がデジタルの洗礼でしたんで、むしろ逆にスマホとか使いにくいし、セキュリティ面が不安で仕方ないんですけど、本作の登場人物とか、びっくりするぐらい無警戒で、ちょっとつついたら個人情報ダダ漏れですからね。

娘に、母親と恋人のお熱いチャットまで覗かれてしまう始末。

いやもうマジで怖い。

だって特殊な知識や技術、ソフトを必要としてないんですもん。

危機管理に疎い連中の盲点を突いただけ。

また、現在のデジタルテクノロジーを上手に使えば言語の違う外国人とすら電話で話せてしまう、というのが驚きでした。

そこまで進化してたのか!って。

なんだかんだ言いながら俺もついていけてねえんじゃねえか!って。

決して誇張ではなくね、ネットにつながったパソコンさえあれば、今やド素人ですら自宅探偵(アームチェアディテクティブ)が可能だなって。

見てる側に、そう感じさせるほどの高いリアリティを構築できただけでこの作品、8割は成功してると思いますね。

で、残りの2割なんですが、私が引っかかったのは、主人公を演じるストーム・リードにどうにも華がないこと。

高い演技力が評価されてるらしいんですけど、この人ってやっぱりバイプレイヤーだと思うんですね。

主役を張るにはあまりにも「どこにでもいる普通の姉ちゃん」すぎる。

あとは、事件そのものが「あえてパソコンの画面上のみで進行しなければならないほど特別なものではなかった」ことが、逆に変な足枷になっちゃってるかな、と。

やっぱりこういうアイディアって、1度きりのものなのかもしれない、と少し思ったり。

パソコンの画面上だけだとね、どうしたって物語の進行に動きがなくなってきますから。

前作は動きがない事自体が強烈なオリジナリティだったわけですが、今回の場合、同じ轍を踏むことがあらかじめわかってるんで、それが退屈に映りかねない危険性はあったと思うんですね。

やってることに裏切りがないわけだから。

実際私は、もうパソコンの画面にこだわらなくていいから家から出れば?と途中で思った。

ただね、そこまでデジタルにこだわったからこそ最後の逆転劇が演出できた、という見方もあると思うんで悩ましいところではありますね。

どちらにせよ、ミステリ/サスペンスとしてはシナリオが緻密に練られていて高水準だったと思います。

あとはこの手法をどう評価するか、ですね。

見応えがあったのは間違いないです。

ねじレート 82/100

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