中国/タイ/アメリカ 2019
監督 ジェシー・V・ジョンソン
脚本 ジョーイ・オブライアン

傭兵部隊から命を狙われる富豪の娘を、身を挺して救う3人の男たちを描いた肉弾アクション。
いわゆる香港映画の系列です。
ロジックや駆け引きよりも武術の腕前で勝負、みたいな。
監督がイギリス人なだけはあって、なにもかも力技で解決、みたいな方向へは突き進まないんですけど、ま、ジャッキー・チェンの映画見てるのとあんまり変わらないです。
注目すべきはザ・レイド(2011)のイコ・ウワイスとマッハ!!!!!!!!(2003)のトニー・ジャーが共演してることでしょうね。
この二人のダブルキャスト、ってちょっと記憶にない。
もうひとりタイガー・チェンという中国人俳優が主役級で共演してるんですけど、この人のことはよく知らない。
調べてみたらユエン・ウーピン門下でマトリクスの武術指導に関わった人だとか。
キアヌ・リーブスの映画にも出てるみたいです。
うーん、記憶にない。
ま、なんだかんだ言っても、みんながこの手の映画に期待するのはストーリーや演出より、 アクションシーンに他ならないわけですが、その意味では意外にも及第点以上の出来栄えをだった気がしますね。
タイガー・チェンが関わっていたことも大きかったのかもしれませんが、私なんかは「もう香港じゃなくてもこの手の映画撮れるじゃん」と感心させられました。
格闘シーンの動作設計や、連続性を阻害しないカメラーワーク等、本家香港と比べてみても全く遜色ない。
特にトニー・ジャー、今回は大立ち回りだったと思います。
イコ・ウワイスが一歩引いたポジションの役柄だったんで余計にそう思うのかもしれませんが、やっぱりムエタイの肘、膝をガンガン当ててくる動きには目を奪われるものがある。
カンフーやシラットにはないアクションですしね。
トニー・ジャー、ちょっと体絞ってきたな、とわかるのも今作にかける気合が伝わってくるかのようでいい。
さすがにね、ドラゴン×マッハ!(2015)ほどの凄まじい完成度はないんですが、ここまでやってくれたら充分ですね。
傭兵役を務めたスコット・アドキンスやマイケル・ジェイ・ホワイトの動きも素晴らしかった。
香港、のんびりしてられねえぞ!と思ったりもするんですが、質の高いアクション映画が広く世界から登場してくる状況は、ファンとしては歓迎、ですかね。
格闘映画ファンの期待を裏切らない一作じゃないでしょうか。
イコ・ウワイスはもうちょっと目立ってもよかったけど。