2020初出 芳明慧
小学館裏少年サンデーコミックス 1~4巻(全5巻)
なんだかよくわからんが常軌を逸したレベルで怪物じみて強い婆さんを主人公に据えたアクション・コメディ。
外見も体型もフィジカルも普通そうな細身の婆さんが、なにゆえこうも無敵なのか?は一切が謎。
なんせ次から次へと襲い来る現役の殺し屋共を、片っ端から返り討ちにしていくんですから。
どうも婆さんは、過去、軍隊(どういう組織なのかは不明)の長を努めていたっぽいんですが、それだけでは説明がつかぬほどに最強。
で、その最強ってのが実はクセモノでね。
物理と言うか、人間レベルを超えちゃってるんですね。
普通なら即死は免れないであろう衝撃をうけてもケロっとしてる。
これねえ、いかにコメディと言えど、さしたる理由もなくノーダメージとかやっちゃうと、なにもかもがしらじらしくなっちゃうんですよね。
そういうのが許されるのはコメディではなく、ギャグ漫画だけ、というのがわかってない。
特にバトルシーンを物語の見せ場とするなら、何が出来て何が出来ないか、どれほどの耐久力があるのか、機動性は?等、一切が不透明(上限なし)だと「なんでもあり」になってしまうわけで。
「なんでもあり」の戦闘ほどスリルゼロでつまらないものはなくて。
そもそもね、婆さんが見かけによらず恐ろしく強い、というギャップで読者のご機嫌を伺ってるのに、婆さんの能力値パラメーターを設定しないとか、片手落ちでしかなくて。
殺し屋と婆さんの、一戦交えたあとのやりとりがそれなりに愉快だったんで、4巻までなんとか読みましたが、ずっと同じ調子な上になにも改善されず、盛り上がりそうな気配もゼロだったんで、しんどくなってきて頓挫。
最終巻で化けるようなことはない、と思うんですけど、最終巻で化けられても今更・・・なので、もういいや。
芳明慧はヨシアキに改名後の雷雷雷(2023~)の方がはるかに面白いですね。
画力が高いのにもったいない、と思ってたんですが、今は成功を掴んだみたいでなにより。
とりあえず雷雷雷でファンになった人はここまで遡らない方が良いです。
多分、後悔する。
漫画のテクニック自体は本作の頃から達者なんで、物語さておきで楽しめる人にとっては収穫かもしれませんけど。