獣王と薬草

2023年初出 艮田竜和/坂野旭/ももちち
小学館裏サンデーコミックス 1~2巻(以降続巻)

簡単に言ってしまうなら葬送のフリーレンと同根異種。

多分この手の剣と魔法の世界(ビデオゲームのRPGが元ネタ)を舞台にした漫画、ってもはやジャンル化してるんでしょうね。

なんだか次々と新作が発表されてる気がする。

以前にも書きましたけどね、私はこういう漫画って二次創作と何が違うの?と思ってて。

想像力や発想の貧困さをひた隠しにしてるだけなんじゃねえのか、って。

だってね、ファンタジーなのに世界を作り込む必要が全く無いわけですから。

勇者と魔王、モンスターや魔法って言っときゃあ、大抵の読者はドラクエやFFを思い起こして全部納得してくれるわけですから。

まずは物語世界そのものにリアリティを、なんて考える必要がない。

作者と読者、双方暗黙の了解で勝手にストーリーを進めていくことができる。

なに楽(手抜き)してるんだよ、と。

こんなことやってる内は、何十年かかったって先達がこれまでに発表してきた偉大なるファンタジー作品群(指輪物語とか、グイン・サーガ、十二国記など)を超えることはないでしょうね。

志が低いのか、そもそも超えようなんて思ってないのか、どっちだか知らないけど、この有り様ではなんの評価もできないですね。

ま、ドラマづくりは上手だと思います。

見た目が恐ろしくて人を殺めるような怪物であっても、理解できない存在ではなく「心」は存在する、とした作劇は、よくあるパターンながらも若年層を相手にする分には有効でしょうし。

いささか感動乞食気味なのが悩ましいところですけど。

どうあれ、私にとってはテリトリー外の一作。

お好きな方同士で楽しまれればいいんじゃないかと。

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