2023 アメリカ
監督 イーライ・ロス
脚本 ジェフ・レンデル
不覚にも犯人を見破れなかったんで、それなりに楽しめたが、格別やってることに目新しさはなし
グラインドハウス(2007、タランティーノ&ロドリゲス)内でおふざけに発表されたフェイク予告、サンクスギビングを長編映画化した一作。
なんで今、グラインドハウスなんだ?と思わなくもありません。
この企画を実現するならグラインドハウスがまだ記憶に新しい内に、じゃねえのか?と。
もうみんな、そんなフェイク予告があったことすら忘れてると思うんですけどね、どういう意図があったのかちょっとわからん。
ま、どうあれイーライ・ロスらしい映画だな、って感じではありましたね。
それなりにグロくて残虐で。
この人はほんとにホステル(2005)の頃から全然変わらんな、と思うんですが、それが良いのか悪いのか、難しいところ。
一部、熱心なファンを取り込んでいるようですし。
私みたいにそれほど強い興味はない、って人間からすると、いつもどおりのやり口、節回しで若干の退屈さがあったりするんですけどね。
とはいえ今回は、どっちかというとホラーというより連続殺人犯を扱ったサスペンスで、手触りはジャーロに近かったりもします。
意外とダリオ・アルジェントが好きな人なんかに刺さるかもしれません。
個人的にはグリーン・インフェルノ(2013)よりはまだ見れたかな。
ま、序盤の展開とかね、いくらアメリカで暴動がお家芸だったとしても、そこまで理性が吹っ飛ぶことはないだろ、と呆れたんだけど、あとから半分ギャグなのかもなあ、と思い直したりもしたんでね(そういうところがジャーロっぽいというか)これはこれでいいんでしょう、きっと。
最近急に日本でもあちこちで目にするようになったBLACK FRIDAYが、物語の端緒になってたのはちょっと勉強になりましたね。
へえ、アメリカはこういう感じなんだ、みたいな。
そういう映画じゃないんだけどね。
筋立ては多くの類似作と似たパターンで、お調子乗りな学生共が次々と血祭りにあげられていく、という既視感の強いものゆえ、さして特筆すべき点はありません。
死に方がエグいのはおなじみの観客サービスでしょうし。
唯一、あっ、と言わされたのは犯人が「あの人物」だったこと。
いや、これは恥ずかしながら見抜けなかった。
全く別の人間を犯人だと思ってたんでね、こりゃしてやられたわ、とニンマリ。
終わりよければ全て良しでね、してやられた分だけ、それなりに満足感はあったりしましたね。
最初からこいつが犯人だとわかってた、って人にとっては秒速で記憶から薄れていく一作なのかもしれないですけど。
なんら新しくもなければ、大きく意外性もなく、まさにグラインドハウスよな、という仕上がりは狙ったものなのか実力相応なのかわからないですけど、深夜に三本立てでやってそう、と言われる分にはサマになってる(その割には制作費が結構かかってそうではあるが)と思いました。
娯楽映画って、こんなのでいいんだよ、って誰が言いそう。
ところで感謝祭って、結局何なんだ?
宗教的行事?よくわからん。
ねじレート 70/100