フィスト・オブ・ザ・コンドル

2023 チリ
監督、脚本 エルネスト・ディアス=エスピノーサ

ジョン・ウィック コンセクエンス(2023)にも出演したチリのアクション俳優、マルコ・サロールが主演したアクション映画。

はて、こんな人出てたかな?って。

いやもう本当にすいません、ドニー・イェンの盲目キャラがインパクト強すぎて他が全然印象残ってない、というのが正直なところでして。

多分、首席連合側の殺し屋の中に居たんだろうな、わかんないけど。

で、わかんないのになんでこの作品を手に取ったか、というと、本作がチリ映画だったから。

チリ映画って過去に見た記憶がないんですよね。

チリが他の国に混ざって出資してる映画は見たことあるけど、チリの国内向け作品って、これまで触れたことがない。

いやね、コンドル拳、ってのが凄まじく胡散臭いんだけど、胡散臭いなりに南米ならではの色合いや風味を感じられたら新しい発見につながるんじゃないか、と思って。

そしたらだよ、いきなり前編、ってテロップがタイトルロールの後に表示されたわけですよ。

ああ、これはやってしまった・・・と思った。

日本版のDVDジャケットにも映画ポスターにも前編なんて文字はどこにもない。

なのに映画本編は前編だと言う。

こういうのって、昔の香港映画に良くあったんですよね。

映画だと思って見たら、テレビドラマを勝手に編集したものだったり、それまでのいきさつがダイジェストで語られていきなり後編から始まったり。

でね、そういうツギハギな映像作品って、高い確率でつまらなかったりするんですよ。

観る前からこんな事を言うのもなんなんですが、怪しい匂いしかしない

だって発売元がね、誤魔化して売ろうとする気まんまんだから。

できることならこのDVDを手に取った数時間前の自分をぶん殴りにタイムトラベルしたいところですが、残念ながらドラえもんと面識ねえしなあ、って。

でまあ、意を決して見たわけだ。

いやー・・・・・・・・やっぱりつまらない

わかってたけどね、ああ、つまらない。

またこれがネタになるレベルで超絶つまらん、とかじゃなくて普通につまらないものだから。

せめて笑えりゃよかったんですけどね、真面目にやってらっしゃるんだよね、主演のマルコ・サロール君が。

こういうのを空回りというんであって。

基本、やってることは昔ながらの香港カンフー映画の模倣でしかなくてね。

一子相伝をかけた兄弟の確執が物語の骨子なんだけど、シナリオ進行になんの新鮮味もねえわ、コンドル拳ならではの独特なアクションがあるわけでもねえわ、で。

いったいどこがインカ帝国が残した幻の戦闘術なんだよ、前フリだけカンフーっぽくて、あとは普通にマーシャルアーツというかキックボクシングじゃねえかよ、ってな有り様でね。

さらに、何故か主人公の師匠だけが、周りスペイン語なのに、一人韓国語しゃべってるというミステリ付き。

で、当然前編なんでお話は途中で終わっちゃう。

後編が発売されるのかどうかすらわからない。

いやー、引いてしまったよ、ハズレくじとあきらめてしまうのもどこか苦々しい、詐欺まがいの空くじを。

ま、仮に前、後編が同時発売になってたとしてもあんまり評価が変わらない気がするのが、唯一のなぐさめかもしれんけどね(多分違う)。

雑な二次創作みたいな映画でしたね、とりあえずね。

あと、ものすごく疑問だったのが、主人公、光に弱い、という設定なんですけど、これね、眼を反射光やライトで狙われたらどんな人だって一瞬ひるむ、と思うんだけど、違うのか?

古い例えですまんがミラーマン(円谷プロ)と逆のキャラにでもしたかったの?

ああ、言いたかないけど頭が悪い、重篤な気さえする。

・・・・南米映画の夜明けはまだまだ遠いのかもしれません。

ねじレート 2/10

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