2024 アメリカ
監督 ドゥニ・ヴィルヌーヴ
脚本 ドゥニ・ヴィルヌーブ、ジョン・スパイツ
![](https://namakajirijungle.work/wp-content/uploads/2024/10/202410102135.jpg)
次への期待感を煽る役割は充分に果たした
2021年に公開されたDUNE砂の惑星の続編。
Part2公開まで、えらく時間がかかったな、と思いきや、ハリウッドでのストライキが影響してるのだとか。
なるほどね。
どちらにせよあらすじ忘れかけてるぞ、俺、と。
ま、この手の映画であれば、見てるうちに思い出せそうですけどね。
SFながらも古典的な貴種流離譚ですし。
とりあえず私が見てて感心したのは、割と小さなエピソードまで丁寧に拾ってストーリーを進めていく作劇。
そりゃここまでじっくり描くつもりなら三部作にもなるわ、と納得。
ほとんど連続テレビドラマ並の密度ですしね。
シナリオの完成度はトップクラスだと思いましたね。
ただね、原作が発表されたのが1965年で、もう60年近くが経過しているわけであってね、そういう意味での古臭さ、既視感みたいなものはどうしたって見え隠れするわけで。
割と原作に忠実だと思うんですよ、ヴィルヌーブ監督。
もちろん視覚面での目新しさ、デジタル時代ならではの映像的迫力は圧巻で流石の一言なんですけど、もっとオリジナルの枠に縛られない冒険があっても良かったのでは、と思うんですよね。
思い出補正なのかもしれないですけど、これならデビッド・リンチのDUNE(1984)の方が不気味にアーティスティックで個性的だったのでは、と思ったりもする。
ひょっとしたら発表された年月が逆で、ヴィルヌーブのDUNEこそが80年代に制作されるべきだったのかもしれません(まだ監督デビューしてないって)。
似たような後続作品が大量に発表された60年後の今だからこそ、簡潔でオリジナルティあふれるリンチ版DUNEが求められたかも、なんて。
・・・どれだけリンチ版が好きなんだよ、俺。
ま、相変わらず冷静に全てをコントールしている風の作風は健在で、全く破綻もなく恐ろしく完成度の高い一作だとは思うんですけど、王家の策謀や裏切りが渦巻く宇宙叙事詩というネタそのものがね、私にとってあんまり刺激的な題材ではないんでしょうね、きっと。
今回、166分、頑張って観て、気付いちゃったよ。
デューン以降に、宇宙を舞台とした色んなSF群像劇をたくさん通過してきてるからなあ。
どうあれ、まだ二作目です。
とりあえず総合的な評価は最終作を観てから、ということで。
こういう起承転結の転にあたる作品って、感想書きづらいんだよね。
本国のみならず、中国やヨーロッパでも大ヒットしてるんで、多分私みたいなのは少数派でしょう。
世の中、一周回ってこれが逆に新鮮なのかもしれません。
ねじレート 89/100