2023 日本
監督 武内英樹
脚本 徳永友一
ここまで地元ネタに徹していじられると、さすがの関西人も爆笑
しかしまあ、よくぞ続編撮ろうと思ったな、と。
こういうのは一発のみの派手な打ち上げ花火だからいいんであって、いくら大ウケしたからって調子にのると絶対にスベるのが世の習わしであって。
ま、興行収入37.6億円をはじき出したら、誰がなんと言おうと続編制作する!って東映がなっちゃうのもわかりますけどね。
GAKCTはよく降板しなかったものだ、と思う。
もうね、演技しながら半分笑いかけてるからね、GACKT。
多分偉い人たちが「居てくれるだけでいいから、お願い!」って札束積んで額を床に擦り付けたんだろうなあ、知らんけど。
とりあえず物語の舞台を関西に移したのは正解でしたね。
あまりに序盤の茶番が過ぎて、大丈夫か今回・・・とかなり不安になったけど、中盤以降、笑いを全部地元ネタに全振りしたことが功を奏したように思います。
多分、意味わかんない人もいると思うんだけど、それを全て切り捨てて関西のご機嫌を伺いに走ったのは勇敢でしたね。
いやもうね、ここまでやるか、ってなぐらいにいじってくるから、京都、滋賀、大阪(神戸)を。
特に滋賀に関してはよくぞ調べた!と感心してしまうぐらい細かいネタが散りばめられていて爆笑。
さすがにね「困ったら平和堂のポイントカードを現金と交換して!」などと言われたら思わず吹き出してしまいますよ。
やってることは前作の埼玉いじりと同じなんですけど、埼玉と同等、いやそれ以上に真摯な姿勢で地域ネタ掘り下げまっせ!って喜色満面サービスされると、笑いにうるさい関西人とはいえ相好崩してしまいますよね。
キャスティングされてる役者陣のなりきりぶりも悪くない。
片岡、藤原夫妻が二人して結構重要な役で出てるのが笑えたし、滋賀出身の高橋メアリージュンが滋賀のジャンヌ・ダルク役というのも腹を抱えた。
言っとくけど滋賀にジャンヌ・ダルクもオスカルも居ねえからな!
埼玉デュークはいるかもしんねえけど。
あと、琵琶湖の水止めるネタだけで最後までひっぱったのも恐れ入った。
琵琶湖の水を止めたらみんな彦根城へみんな集まれ!って、作中で言われるんですけどね、なんなんだそのキラーワードは、って。
しかもちょっと感動的なってるのが余計に可笑しいというかね。
監督本人にそんな気はないのかもしれませんが、武内英樹はこれを機に日本のメル・ブルックスを目指してもいいかも。
次があるのかどうか知りませんが、もし第三弾もスベり知らずのままだったらさすがに本物かもしれないですね。
どう考えても色モノだったのに、ひょっとしたら令和を代表するコメディ映画(シリーズ)になるかもしれませんね。
ま、あんまり真面目に論じるような作品でもないと思うんですが、最後に少し褒めておくとするなら、中盤の大阪のアジトや粉モン工場のシーンは、チャーリーとチョコレート工場の一場面みたいでコメディに収まらない奇妙なシュールさがあっていいと思ったし、全体的にテンポと間がいい、および出オチがわかってるのも大きな武器だと思いました。
お耽美と小ネタだけで突っ走ってるわけじゃないんですよね。
ばかばかしいなりにきちんと計画性がある。
ところで西川くんはどうした?
出てないよね?
滋賀といえば西川くんが出ないことには始まらんと思うんだが・・。
余談だが、野洲の扱いがひどすぎて腸ねじれた。
ねじレート 70/100