アメリカ 2022
監督 ジャン=フランソワ・リシェ
脚本 チャールズ・カミング、J・P・デイビス
ジェラルド、今回は機長で無双
ずさんな飛行計画が原因で、ゲリラの支配する島に不時着することを余儀なくされた旅客機乗客の決死の脱出行を描いたサバイバルアクション。
あんまりたくさんジェラルド・バトラーの出演作観てないんですが、なんとなくね、彼らしい気がしたりはしましたね。
私の場合、エンド・オブ・ホワイトハウス(2013)の印象が強いもんだからさ。
やや詰めが甘い感じのアクション映画で無双な主人公ならこの人、って感じで、今回も大きくイメージを違えることはなかった気がします。
ジェラルドはリーアム・ニーソンになろうとしてるんですかね?しらんけど。
でまあ、リーアム、ってことは似たようなキャラをどの作品でも演じることを強要されて、瞬間最大風速だけを求められる羽目になるわけですけど、どうなんですかね、本人どう考えてるんでしょうかね。
どうあれ本作、無双とまではいかないにせよ「相当に肝が座った武闘派の機長」を演じていたりはします。
恐ろしいまでに責任感が強くて職務に忠実で、しかも人格者って、うん、こんな機長は現実にはいない。
キャラ的にできすぎ。
やっぱりね、いくら責任があるからといって命懸けでテロリストの村に潜入、脱出のための交渉をするとか、荒事になれてるその道のエキスパートでも躊躇する、って話だ。
こんな人物が普通に飛行機操縦してる、ってのがもうおかしい。
きっと、それぐらいスーパーマンに描かないと盛り上がらねえじゃん、ってことなんでしょうけどね、私は中盤ぐらいでやや冷めてきた。
程度の差こそあれ、本作もジェラルドのスター映画と考えていい気がします。
それが証拠にサブキャラもモブキャラも全員地味ですしね。
とにかく印象に残らない。
主人公が呉越同舟をやむなくされる護送囚ですら没個性気味ときた。
大事なキャラだと思うんですけどね、なんか最後まで何考えてるのかよくわからなかったですね。
テロリストとの攻防も、どうせなら飛行機に立てこもって籠城するパターンでやればいいのに、と思ったんですが、それをやると要塞警察(1976)になっちゃうか。
ちなみに監督のジャン=フランソワ・リシェは過去に要塞警察のリメイクをてがけてます(未見)。
この手の筋立てが好きなんだろうなあ、ジャン。
ま、いくら好きでも似たようなことやってる以上は要塞警察超えられないよ、と思いますけどね。
で、物語がなんとか盛り上がってくるのは終盤。
エンディング間近でやっとハラハラする展開が、とだけ言っておきましょう。
うーん、航空パニックとしてもサバイバルアクションとしても平均点ギリギリというところですかね。
ジェラルド・バトラーのファン向け、ってところでしょうか。
余談ですが画質がなんかテレビ映画っぽかったけど、これはわざと?
ねじレート 55/100