韓国 2022
監督 チョン・ヨンギ
脚本 高橋洋、イ・ヨソン
想像してたのよりもずっと普通でどうしたものかと
タイトルは面白い、と思うんです。
説明文みたいなの(特に副題ね)やネタバレも多い昨今、なんのひねりもてらいもなしに「お化け」と言い切ってしまうクセの無さは逆に興味をそそられたりもする。
お化け?えっ、お化け?なんかすごいのが出てくるのかひょっとして?と、逆に勘ぐってしまうというか。
ノロイ(2005)の白石晃士が関わってる、ときてはなおさら。
いや、これは相当怖いんじゃないか?と。
韓国ホラーは暴投も多いけど、ものによっちゃあ、とんでもなくエグかったりしますから。
そりゃ期待するわ、って。
そしたらだ。
オープニング数分がちょっと怖かっただけでね、以降は延々「どこかで見たような」「こういうのってよくあるよね」のオンパレード。
あのね、地下鉄が不気味なのは当たり前なんですよ。
陽気で楽しい地下、なんてものはこの世にないわけだから。
だとしたらその不気味さを更に助長させるネタに取り組むか、全く別の角度から地下鉄の様相を変転させるしか手はないわけでね、実はやばいものが埋まってる場所にトンネル掘ってました、とか安っぽい素人怪談かよ!って話になっちゃうわけだ。
そんな事言いだしたら京都市の地下鉄はどうなるんだ、って。
応仁の乱以降、何千人も死んでる場所や、河川敷の処刑場後に地下鉄のトンネル掘ってるぞ、と。
呪いの核となるアイディアがありきたりで陳腐としかいいようがない。
また、主演のキム・ボラがホラー得意じゃないのか慣れてないのかわからないけど、ずっと没感情気味の演技でね。
見てて全く感情移入できないわけですよ。
さらに最悪だったのが、てっきり怖さで勝負なのかと思いきや、最後はリベンジものみたいな展開になってたこと。
あのね、権力者をやりこめてスカッとしたいわけじゃなくてね。
ホラーなんだから震え上がらせてほしいわけですよ、こちらとしちゃあ(ホラーじゃなかったのか?)。
肝心のエンディングで物語の向いてる方向がぶれた、って感じですね。
ま、韓国映画、この手の倍返しだ、みたいなの好きですけどね。
うーん、日本人が協力してる割には期待外れ、という他ないですね。
ミッドナイト・ミート・トレイン(2008)って、実はよく出来た映画だったのかも、と考え込んじゃったよ。
最近見たシンガポールの映画、グアイウ 地下鉄の怪物(2023)のほうが景気良かったかもしれん、と思えてしまうあたりがなんとも・・・。
ねじレート 35/100