アメリカ 2023
監督 トム・ハーパー
脚本 グレッグ・ルッカ、アリソン・シュローダー
ガル・ガドットが王女ダイアナからスパイになった途端、なんだか普通のお姉さんに
ガル・ガドットが二重スパイを演じるアクション映画、NETFLIXオリジナル。
ま、ミッション・インポッシブルみたいなもの、と考えて大きく問題ない気がします。
役柄がトムからガル・ガドットに成り代わっただけ。
ぬ、ちょっと言い回しが乱暴すぎるかな。
どちらにせよ、ガドットねえさんを堪能するための一作であることは間違いないです。
最初から最後まで出ずっぱりで七面六臂の大活躍ですから、ファンは見て損した、とは絶対思わないはず。
思った以上に金かかってるし、見せ場もたくさんあって、水準以上の出来といっていいでしょう。
ただね、私個人的にはワンダーウーマン(2017)で圧巻の美貌とモデル顔負けなプロポーションの良さを見せつけた彼女が、急に等身大になっちゃったような気がした。
あれ、普通に美人なだけじゃん?って。
もっとカリスマ性なかったか?みたいな。
普通に美人であることが前提になってるってのがもうすごいじゃん、って話だったりはするんですけど、そこはハリウッドですから美のレベルも人並み以上、かつてのガドットねえさんは人並み以上の世界に身をおいてすら突出してたような気がするんですね。
同じ世界に生きる同種の異性とは思えん領域で。
これが年齢からくるものなのか、それともキャラクターに忠実な演出だったのかわかりませんが、これならシャーリーズ・セロンのほうがかっこいい、と私は思ってしまった(すまん、シャーリーズ・セロン大好きなんだよ)。
DCコミックのイメージに私が囚われすぎてるのかもしれませんが、キレイなだけじゃなくワイルドでタフなスパイを演じるにはちょっと吹っ切れてないような印象も受けましたね。
ちなみにスパイ役ってガドットは初めてじゃなくて、過去にMr.&Mrs. スパイ(2016)で演じてるんで、比較してみるのも面白いかもしれません。
そしたらなにがしっくりこないのか、鮮明になるかも。
ひょっとしたら物語にあんまりのれなかったことが遠因になってるのかもしれません。
やっぱね、秘密組織チャーターってのがまるで60年代の少年漫画(秘密探偵JAとか、あのへん)のようで、いやいやそりゃないだろ、とテンション下がったのは確かですし。
世界平和のために働くスパイ組織なんですよね、チャーターって。
世界平和って・・・。
今どき宗教のお題目でしか見かけねえぞ、世界平和とか。
物語の肝である、世界中のコンピューターにアクセスできるハートと呼ばれる量子コンピューターの存在もねえ、現実味あるんだかないんだか考えたくもないぐらいありがちなネタですしね。
そんな風に揚げ足をとるような映画じゃないことはわかってるんです、わかってるんですけどね、アクションだけで乗り切る気なら、ジョン・ウィックぐらい徹底してくれないと若干厳しいかもな、と思ったりはします。
続編作る気満々なエンディングでしたが、ま、配信なら見るかな、といったところですかね。
つまんなかったわけじゃないんですけど、ガル・ガドットをもっともっと光らせることができたはず、と私は感じましたね。
ねじレート 60/100