1971年初出 松本零士
奇想天外社 全9巻
作者の偉大なるマンネリズム、四畳半もの。
大四畳半大物語とほとんど何も変わりません。
隣のマンションに美人のオーナーがいて主人公に好意的であるとか、セックスコンサルタントのオヤジが隣の部屋にいるとか、設定上の違いは若干ありますが、薄汚くて明日が見えず酒池肉林なのはほぼ同じ。
個人的には美人で金持ちのマンションオーナーが主人公と同じ目線に立って物事を判断し、しかも肌を合わせるなんてことが恒常的にあるはずがない、と思えるので、大四畳半大物語ほど楽しめませんでした。
そのありえなさこそが貧乏男子の夢じゃないか、と怒られるかもしれませんが。
そもそもが必殺のワンパターンではあるので、まあ、ファン向き、四畳半もの好きのためのシリーズ、と言えると思います。
奇想天外社倒産後、小学館文庫で復刊。