ゴブリン公爵

1985年初出 手塚治虫

中国の遺跡から発掘された巨大人型兵器、燈台鬼を巡って、それを平和利用しようとする組織と、悪用しようとする側の攻防を描いたSFアクション。

雛形は魔神ガロンでありブルンガ1世であり、昔から先生が得意としたパターンで、正直それほど新鮮味はない。

先生の作品ではおなじみのキャラ、ロックが出てきた時点である程度エンディングの予測はついたんですが、まあ、おおむね思った通りでした。

主人公とおぼしき少年が本当にもう頭の中が空っぽなマヌケ野郎で共感しにくく、それも本作を過去作の焼き直しのまま貶めている要因のひとつか。

唯一おもしろかったのは燈台鬼のデザインとその機能で、頭の蝋燭が消えちゃうと動力停止ってのは奇抜でよくできたアイディアだ、と思いました。

燈台鬼というキャラ(メカ?)は他にない個性があるように思うので、登場人物を総入れ替えして物語を編みなおして欲しい、と思ったりもするんですが、誰かやってはくれまいか。

先生が亡くなられた後に遅れて出版された作品ですので、先生本人がいつかは描き直しを、と考えておられたのかもしれません。

色々もったいない、と思ったりもしますね。

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